中国各省の人口データが続々発表 出生数最多は広東省、山東省は人口流出が深刻に
中国の各省が最近、2024年常住人口関連のデータを次々と発表している。これらのデータによると、前年比で常住人口が増加したのは8省(市・区)だけだった。3省(市・区)は横ばいで、残りの20省(市・区)は減少した。
人口が増加した8省(市・区)の内訳は、広東省(+74万)、浙江省(+43万)、新疆維吾爾(ウイグル)自治区(+24.8万)、福建省(+10万)、海南省(+5.1万)、西蔵(チベット)自治区(+5万)、安徽省(+2万)、陝西省(+1万)だった。
広東・河南・山東・四川の出生数が中国の3分の1占める 広東は5年連続で出生数100万人超え
昨年の省(市・区)別の出生数を見ると、トップ10は広東省(+113.3万)、河南省(+76.2万)、山東省(+64.9万)、四川省(+53.6万)、河北省(+44万)、江蘇省(+42.6万)、広西壮(チワン)族自治区(+42万)、貴州省(+41.5万)、浙江省(+41万)、雲南省(+40.2万)だった。
なかでも、出生数が113万3000人だった広東省は7年連続でトップだった。また、同省は5年連続で唯一出生数が100万人を超えていた。広東省の各地は近年、出産を後押しする政策を次々と打ち出している。例えば、広東省東莞市長安鎮厦辺コミュニティ居民委員会は、子ども3人の世帯を対象に奨励金として5万元(1元は約21.4円)を支給するほか、毎月500元を支給している。また出産を支援する同様の試みが同省の各地で展開されている。
河南や山東、四川、河北、江蘇といった人口大省も、もともと人口の基準が大きいため、出生数も多くなっている。広東、河南、山東、四川の4省の昨年の出生数の和だけで、中国の出生数(954万)の約3分の1(32.28%)を占めた。
出生率を見ると、中国で8‰を超えたのは9省(市・区)で、主に西部地区と華南地区に集中している。10‰を超えたのは貴州、青海、西蔵、海南の4省(市・区)だけだった。うち、トップは13.87‰の西蔵自治区で、人口増加実現の主な原動力となった。
山東省は人口流出が深刻に 流入が多い省は?
人口の社会増加(転出数と転入数の差)から見ると、浙江、福建、安徽、陝西など、人口が増加した省は主に、流入してきた人の数が多いことが後押しとなっている。そして、長江デルタや珠江デルタ、及び一部の中・西部の都市群に、他の地域からより一層、人が集まって来るようになっていることが分かる。
例えば、人口の純流入量が全国一となっている浙江省は、人口の自然増加率がマイナスになっているにも関わらず、人口の純流入で 43 万人の人口増加を実現し、人が最も集まりやすい魅力ある省の一つとなっている。浙江省の11区・市の常住人口全てが増加していることは注目に値する。
広東省は、人口の自然増加と社会増加の両方が人口を押し上げた少ない省の一つとなっていることも注目に値する。同省の常住人口は1億2800万人で、実際のリアルタイムの人口は1億5000万人となっている。2007年に、初めて河南省を抜いてトップに立って以来、広東省は18年連続で中国で最も人口が多い省の座を守り続けている。年齢構造を見ると、2024年末の時点で、広東省の16—59歳の生産年齢人口は8484万人で、常住人口の66.38%を占めており、全国の平均水準を5.46ポイント上回る数字となっている。
もう一つの人口大省で、経済大省の山東省は、人口の流出加速に直面している。同省の人口の純流出量は前年比で8万人以上多い26万人に達した。中国で展開されている「人材引き止め」をめぐる戦いにおいて、山東省はかなり水をあけられている状態となっている。
厦門(アモイ)大学経済学学科の丁長発准教授によると、山東省は所有制構造の国有企業が多く、産業構造全体が従来の製造業に偏っている。これらの業界は経済が新常態(ニューノーマル)へと移行する中、需要の縮小に直面しており、資金や産業技術などが南方エリアへと流出し、提供される雇用ポストや給与水準、雇用環境などが、若者にとって魅力に欠けるようになっている。その他、マクロレベルで見ると、ビジネス環境に課題があり、雇用が経済の新常態に追い付いていないほか、山東省の若者の「公務員志向」が非常に強いという地域文化も、大学卒業者が中国の他の地域へと流れる原因となっている。(編集KN)
「人民網日本語版」2025年10月28日
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