中国開発のミクロ世界の「スーパーカメラ」が検収合格
人民網日本語版 2025年11月17日11:49
中国初の高エネルギー直接幾何学的非弾性中性子散乱飛行時間分光器(以下「高エネルギー非弾性分光器」)がこのほど検収に成功したことが16日、中山大学への取材で分かった。物質の微視的構造と動力学的性質を観測するこの国の代表的な装置は、中国における百ミリ電子ボルト以上の非弾性中性子散乱技術の空白を埋めた。新華社が伝えた。
通常の科学観測装置を人の目にたとえるなら、高エネルギー非弾性分光器は「超能力」を備えた「スーパー・カメラ」だと言える。物質の静的構造を可視化できるだけでなく、原子や分子がピコ秒(1兆分の1秒)スケールでどのように振動・回転し、エネルギーを伝達するのか、その瞬間ごとの動きを捉えることができる。
同装置の特徴は、中性子が電荷を持たず、透過力が強い性質を活かし、物質内部の微視的運動を直接検出できることにある。中性子が原子核と「非弾性衝突」を起こすと速度や方向が変化し、その変化を解析することで内部の動的な情報を逆算できる。
さらに、超大型の検出器面積により、高エネルギー非弾性分光器は「白色光ラウエカメラ」の作業モードを特別に備えており、単結晶材料の構造や磁気構造などの情報を迅速に検出するのに役立つ。これは、高温超伝導の物理メカニズム、量子磁性作用のメカニズム、熱電材料の輸送特性、電池内のイオン拡散メカニズム、生体材料の活性など、先端的基礎研究に必要な微視的構造と動力学的情報を提供する。
国家重要科学技術インフラの重要構成要素として、高エネルギー非弾性分光器は全国の科学研究界に貢献する重要なプラットフォームとなる。その開放的かつ共有可能な運用は、物理、化学、材料、生物など複数の基礎科学分野の発展を強力に支えることになる。(編集YF)
「人民網日本語版」2025年11月17日
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