AIはツアーガイドに取って代わるのか?

人民網日本語版 2026年08月31日16:43

「ツアーガイドは本当に失業するかもしれない……」。SNS上では、多くのユーザーがAIをガイド代わりに利用した体験談をシェアしている。AIにツアーガイドのように観光地を紹介させると、「実際のツアーガイドとほとんど変わらないほど」詳しく説明してくれるという。AIが観光の場に進出する中、ツアーガイドはAIに取って代わられるのだろうか。工人日報が伝えた。

ベテランツアーガイドの葉磊氏は、「AIとツアーガイドの実際の仕事との間に、大きな対立関係はない。個人旅行の観光客は確かにAIを利用して旅程を計画したり、観光地の由来やエピソードを調べたりできる。しかし、通常の団体旅行では、旅行会社が依然としてツアーガイドを手配し、観光案内を提供している。AIの登場によって、一部の観光客が旅行の際に団体旅行ではなく個人旅行を選ぶ傾向が強まる可能性はあるが、AIが直接ツアーガイドに取って代わるわけではない」と語る。

オーストリア旅行を計画している王楊さん(仮名)は、その典型的な例だ。以前は、本を調べたり、さまざまな旅行ガイドを読んだりしながら、時間をかけて旅程を決めていた。現在は、行きたい観光地をAIに伝えるだけで、AIにルートや関連情報を整理してもらえる。ただ、王さんもAIに全面的に頼っているわけではない。観光地の公式サイトなどで情報を再確認しており、「ほとんどの場合、AIが提供する情報は正確だ」と話す。観光客の黄飛さん(仮名)は、「私にとって、歴史や文化に関わる観光地では、何よりも解説が重要だ。そうでなければ、理解できないことが多いからだ。でも、人間に解説してもらうと比較的高い。AIなら私のニーズをほぼ満たしてくれる」と価格面から考えている。

博物館は、AIによる解説が最も広く利用されている場面の一つだ。葉氏の観察によると、現在、多くの博物館がAI音声ガイドやスマートフォンによる現地解説サービスを導入しており、観光客はイヤホンを装着して、歩きながら説明を聞くことができる。

AIは王朝の年代や建築物のデータなどを流暢に紹介できるが、それだけで人間のツアーガイドに取って代われることを意味するわけではない――この判断について、業界関係者と学者はいずれも同意している。

葉氏自身の仕事の変化には、まさにAIとツアーガイドの違いが表れている。博物館での解説を担当するとき、現在はAIが提供できる基礎的な情報だけにとどまらず、文化財と伝統文化とのつながりや、文化財の背後にある物語をさらに掘り下げるようになった。葉氏は「観光客の職業、年齢層、文化的素養などに応じて、解説内容を変えなければならない。すべてを一律にするわけにはいかない」と述べる。

では、ツアーガイドの本当の中核的価値はどこにあるのだろうか。葉氏は、自身のツアー同行時の習慣を紹介した。長距離の団体旅行の参加者名簿を受け取ると、まず観光客の基本情報を調べる。その中には誕生日も含まれる。「これまで実際に団体旅行を案内してきた中で、私はよく観光客に誕生日のサプライズを用意してきた。これは人情味と温かさを感じてもらうためだ」という。

AIが登場した今、ツアーガイドはどこへ向かうのか。中国伝媒大学文化産業管理学院の副研究員、卜希霆氏によると、AIの導入によってツアーガイド業界はさらに細分化され、再編されるだろう。能力が低く、知識の更新が遅いツアーガイドはより大きな打撃を受ける可能性がある一方、明確な個性を持ち、物語を語ることに長け、優れたサービス能力を備えたツアーガイドは、より大きな発展の余地を得ることが期待される。

葉氏も、AIの登場によって観光客の旅行に対する期待が高まり、質問もより難しくなったと感じている。同氏は、「これはツアーガイドが専門能力を高めるきっかけになるだろう。これからのツアーガイドは、知識を絶えず更新するだけでなく、『なぜそうなのか』まで理解し、解説の中で応用を利かせ、伝統文化に精通することが求められている」との見方を示す。(編集YF)

「人民網日本語版」2026年8月31日

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