【ぶらり北京】市場でバーガー編
北京の街を人民網日本人編集者のA姐とG姐がぶらりと歩いて紹介する、その名も「ぶらり北京」。今回は、庶民的な野菜市場の中にあるハンバーガーショップで、顎が外れそうになるくらいビッグなハンバーガーをガブリ!さらに炒め物がサンドされたハンバーガーを箸でつまむという不思議体験をしてきました。その後は近くの隆福寺エリアへ移動。かつては寺院の門前市として賑わい、今は人気スポットとして生まれ変わった隆福寺エリアをぶらり。そこでA姐とG姐が出会ったものは?
🎥市場でハンバーガーにかぶりつき、隆福寺エリアをぶらり歩きするA姐とG姐の様子はこちらの動画でどうぞ!

野菜や果物を眺めながらハンバーガーを食べる不思議体験(撮影・勝又あや子)
■庶民的な市場に行ってみた!
北京の中心部に位置する中国美術館の北側エリアの一角に、兆軍盛菜市場という市場がある。市場の入り口には北京名物・豆汁の店「尹三豆汁」が店を構え、市場へと向かう通路には骨董品や中古品を売る店、理髪店、洋服リフォーム店、雲南料理レストランなどが店を構えていて、ちょっと不思議な構造だ。

兆軍盛菜市場の入り口(撮影・勝又あや子)
名前もちょっと変わっている。北京の市場の名前は、一般的には市場の所在地が冠されているが、この市場の名前は「兆軍盛」。なんだか人の名前みたいだ。それもそのはず、調べてみると、この市場は曾兆軍という人が2002年に老朽化した絨毯工場を借りて市場にしたものだった。

市場の内部(撮影・勝又あや子)

野菜や果物、肉、魚、粉ものなど、様々なものが売られている市場内(撮影・勝又あや子)
市場内には、野菜や果物、肉や魚、穀類、調味料などの食材だけでなく、麺や包子といった粉もの、餃子屋や総菜屋など、食品を扱う店もある。中でもこの市場で特徴的だったのは総菜屋。和え物や漬物などを扱う店は他の市場でもよく見かけるが、炒め物や煮物などのおかずを売っている店はあまり見かけない。

総菜屋。詰め合わせて数種類の総菜を買うこともできる(撮影・勝又あや子)
あまり見かけないものといえば、肉売り場ではかたまり肉をひき肉状にしてくれるロボットを発見!涼し気な目元のイケメンロボットは、買ったかたまり肉を中華包丁2本でガタガタガタと刻んでくれる。ただし、最低2キロから稼働。別にもったいぶっているわけではなく、そのくらいの分量がないとうまく動作しないということだろう。

これがひき肉ロボット「ひきにクン」(G姐命名)。実際に肉を細かく刻む様子は動画でチェック!(撮影・玄番登史江)
■市場の中にハンバーガー屋さん?
ところで、この市場にやって来たのは、実は「市場の中にハンバーガーショップがある」と聞いたからだった。

野菜の向こうにハンバーガーショップがある!(撮影・勝又あや子)
「市場の中のハンバーガーショップ」は、飽是福餐庁&BullshitFood。野菜売り場の片隅にあるショップで注文し、「ここで食べます」と言うと、店員さんが折りたたみのテーブルとイスを出してきて、市場の中に臨時の席を作ってくれる。野菜や果物を眺めながらハンバーガーにかぶりつく……日常の中の非日常?なかなかのレア体験だ。

市場の中に臨時で設えた座席(撮影・勝又あや子)
ここのハンバーガーは、そのままかぶりついたら顎が外れそうなくらい高く積み上げられているのが特徴だ。ビーフパティがサンドされたビーフチーズバーガーは、パティ1枚でもこのボリューム!

ビーフチーズバーガー(左)と豚バラ肉酸菜炒めバーガー(撮影・勝又あや子)
パティがサンドされたタイプのほか、炒め物系もある。こちらを頼むと、箸が付いてくるところが面白い。なるほど、これだけ汁気があって横に広がるタイプのハンバーガーを直接食べるのは至難の業だ。野菜市場の中のハンバーガーショップで、箸でハンバーガーを食べるというさらなるレア体験を味わえた。

箸で食べるハンバーガー(撮影・勝又あや子)
■隆福寺っていったいどこなの?
市場バーガーを平らげた後、次に訪れたのは隆福寺エリア。しかし、隆福寺と言いながら、このエリアにはお寺がない。それをずっと不思議に思ってきた。今回このエリアを歩くにあたって調べてみたところ、隆福寺は実在していたことが分かった。

隆福寺エリアのモニュメント(撮影・勝又あや子)
隆福寺は明代の創建。清代になると、毎月9のつく日と10のつく日に縁日の市が立つようになった。しかし、1901年に火災で焼失。さらに1976年の唐山地震で被害を受け、現在は寺としての姿を留めていない。

隆福寺の模型(撮影・勝又あや子)
ただ、寺自体はなくなったが、人々が集う市としての賑わいは続いた。改革開放後には流行の最前線となり、新しいファッションを牽引。1988年には隆福大厦が開業し、人気を集めた。しかし、1990年代初めに隆福大厦で火災が発生。隆福寺エリアは大きな打撃を受けた。
その後、このエリアで大規模なリノベーションが行われ、隆福寺エリアは人気のスポットに生まれ変わった。若者に人気のショップだけでなく、北京の老舗も数多く出店している。

隆福寺エリアに出店している老舗の王致和や六必居(撮影・勝又あや子)
■月餅ロボに遭遇!
隆福寺エリアを歩いていると、老舗菓子店の稲香村零号尋宝館で、月餅を作るロボットに遭遇した。中秋節(旧暦8月15日、今年は9月25日)を控え、人型ロボットメーカーと提携し、店舗内でデモンストレーションを実施しているのだという。「スマートロボット見習い・稲香での修業」がテーマで、人型ロボットが五仁(5種類のナッツ)をボウルに入れて混ぜ合わせる作業に取り組んでいた。

月餅づくり修行中の月餅ロボット(撮影・勝又あや子)
稲香村の「零号」が付いている支店では、そこでしか買えない限定版のお菓子が売られており、北京ならではの建物や物をモチーフにした色とりどりのお菓子を「九宮格」(9個のマス目)の箱に入れてもらえる。

北京ならではの建物や物をモチーフにした稲香村のお菓子(撮影・勝又あや子)
■北京っ子に人気の「炸灌腸」って何?
隆福寺エリアぶらり歩きの最後に立ち寄ったのは、豊年灌腸。灌腸というのは、緑豆やサツマイモのでんぷんを練った生地を蒸して作った軽食で、薄く切って油で揚げ焼きにして食べる。いわばでんぷんチップだ。

豊年灌腸(撮影・勝又あや子)
この灌腸は、一説には西太后の好物だったと伝えられている。しかし、西太后が好んだのは「大灌腸」と呼ばれるもので、豚の大腸に肉やでんぷんを詰めて煮たもの。「灌」が「注ぎ込む」という意味であることが示す通り、腸詰だった。しかし、現在「北京小吃」として親しまれている「灌腸」は、「小灌腸」。豚の腸を使わずにでんぷんだけで作られる。
この「小灌腸」の店として有名なのが、豊年灌腸だ。もとは隆福寺街にあり、文字通りストリートフードとして庶民に親しまれていたが、このエリアのリノベーションに伴って、隆福大廈の南にある隆福広場に移転した。灌腸は、一般的には揚げるという意味の「炸」を使って「炸灌腸」と呼ばれるが、この店では「煎灌腸」と呼んでいる。

ニンニクテイストが口中に広がる揚げたてのでんぷんチップと酸梅湯(撮影・勝又あや子)
食べる時には、つぶしたニンニクを塩水に入れたタレをかけ、爪楊枝で刺して食べる。箸ではなく、爪楊枝で食べるあたりが、いかにもストリートフードという感じだ。端の薄いところはカリカリで香ばしく、真ん中の厚いところはやわらかくむっちりとしていて、一枚で異なる食感を味わえるのが楽しい。同じように薄いところと厚いところが一本の麺に共存する刀削麺に通じるものがある。一方で、日本では蕎麦やうどんなどを作る時は太さや厚さが均一であることが要求され、喉ごしや舌ざわりがスムーズであることが大事にされる。不均一が生み出す変化を楽しむ中国と、均一性が生み出すスムーズさを楽しむ日本。どちらにも道理があり、どちらにも美味しさがある。炸灌腸にかじりつきながら、そんなことを考えた。
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庶民的な市場で野菜や果物を眺めながらハンバーガーにかじりつき、古刹の跡地をリノベーションした人気スポットを歩き、かつての市の賑わいを現在の賑わいに重ねたぶらり歩き。古さと新しさが同居する隆福寺エリアに、みなさんも出かけてみてはいかがですか?
(文・勝又あや子)
「人民網日本語版」2026年9月22日
ぶらり北京

北京の街を人民網日本人編集者のA姐とG姐がぶらりと歩き、見たり、食べたり、遊んだり?興味の向くまま、気の向くまま、北京の魅力をゆる~くお伝えしていきます。
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