砂地で稲作、塩性・アルカリ土壌でパイナップルを栽培――砂漠の豊作を支える高度な技術
世界で2番目に大きい移動性砂漠である新疆維吾爾(ウイグル)自治区の塔克拉瑪干(タクラマカン)砂漠が、特別な収穫の季節を迎えている。砂漠で実現したこの豊作こそ、人間と砂との長年にわたる闘いの成果だ。中央テレビニュースアプリが伝えた。
長年にわたり、タクラマカン砂漠周辺に暮らす人々は、風砂の被害に悩まされてきた。2024年末、タクラマカン砂漠の周縁部で進められてきた砂漠化対策において、最後に残されていた区間への苗木の植樹が完了した。これにより、総延長3046キロメートルに及ぶ砂防・防護林帯が全線でつながった。
2年間にわたる整備を経て、現地では風砂が減少し、さまざまな砂漠産業が次々と成果を上げている。広大な水田では稲が実り、肉従蓉(ニクジュヨウ)が砂を押し分けて芽を出し、砂漠の水産物も漁獲期を迎えている。
砂漠で稲が豊作に
新疆和田(ホータン)地区和田県の稲香村では、砂漠の稲が収穫期を迎えている。この村は特殊な場所に位置しており、稲が砂漠の中で育っているのだ。稲作が始まる前、この一帯には砂丘が広がっていた。現在、稲の香りが漂い、豊作を迎えられるようになったのは、この砂漠で長年にわたって砂漠化対策を地道に続けてきた成果だ。

このような砂漠で稲を栽培するには、いくつかの課題を解決しなければならない。
まず、砂丘を平らに整地し、分散していた農地を一つのまとまった区画にする必要がある。
次に、水の確保が課題となる。この地域は崑崙山脈の麓に位置し、豊富な雪解け水がある。また、喀拉喀什(カラカシュ)川にも近いため、現地の人々は用水路を建設し、稲作に必要な水を確保した。
最後に、この地域の環境に適応できるよう、耐塩性・耐アルカリ性に優れた稲の品種を選ぶ必要がある。
この3つの条件は一見簡単そうに思えるが、その裏には、現地の人々が数十年にわたって試行錯誤を重ねてきた努力があり、それがあってこその今日の豊作なのだ。
継続的な改良と実験を経て、現地では農地の整備も進み、高標準農地としてまとまった大規模な水田が形成された。また、この地域はタクラマカン砂漠の南縁に位置し、日照時間が長く、稲は十分な光合成を行うことができる。こうした条件が整ったことで、砂漠でも良質な米が生産されるようになった。当初の1ムー(約6.7アール)当たりの収量は300キログラム未満から現在の600キログラム以上に増加し、経済的効果も大幅に向上した。
この砂漠の中の水田は、経済効果をもたらすだけでなく、特別な役割も果たしている。それは、防風・飛砂防止の効果だ。稲作を行った後の土壌は色が濃くなり、有機物を含むようになる。風が吹いても、巻き上げられるのは表層の土に限られるため、土壌の耐風砂能力が向上する。水田そのものが、砂漠の周縁部を守る緑の防壁となっているのだ。
砂漠に「根を下ろす」トロピカルフルーツ
稲だけでなく、パイナップル、バナナ、サトウキビといった、もともと中国南部で栽培されていた熱帯性の作物も、現在では砂漠周縁部の温室で根を下ろし、実をつけている。

砂漠は日照に恵まれ、昼夜の寒暖差も大きいため、パイナップルの生育に理想的な光と熱の条件をもたらしている。パイナップルを丁寧に育てるため、研究者たちは果実を大・中・小の3種類に分類し、定期的に果実の周囲の長さを測定している。そして、生育状況に応じて、それぞれ異なる管理を行っている。
砂漠で育つのはパイナップルだけではない。別のスマート温室に入ると、大きくて実の詰まったパパイアがあり、あと10日余りで順次収穫できる見込みだ。バナナも青々と茂り、生き生きと育っている。数カ月後には、こちらも収穫期を迎える見込みだ。

一方、屋外の砂地で品質基準を満たすサトウキビを育てるのは、容易なことではない。サトウキビの生育に適した気温は25~32℃だが、和田地区の春は気温の変動が大きく、寒の戻りがあれば、苗が凍害を受ける恐れがある。そこで、タクラマカン砂漠の南縁に位置する新疆和田地区于田県では、広西壮(チワン)族自治区からサトウキビの品種を導入した。品種改良によって耐寒性を高めるとともに、水と肥料を一体的に管理する技術を組み合わせることで、サトウキビはようやく順調に生育するようになった。(編集YF)
「人民網日本語版」2026年10月29日
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