アニメ関連に疎い「3次元の住人」が、アニメと聞いて思い浮かべるのはせいぜい「ONE PIECE」や「NARUTO-ナルト-」など。ところが、先ごろ北京で開催されたコミックマーケットイベント「MYC動漫遊戯節」の会場を取材したところ、会場のコスプレイヤーたちが扮するキャラクターは、中国製アニメやゲームの見知らぬキャラばかり。会場内のイベントステージやグッズなども中国産アニメとゲームが主流となっている。
長年、政策によるサポートを受け、さらには動画サイトが普及してくるにつれて、中国のアニメ産業は急成長の時期へと足を踏み入れており、優秀なアニメやゲームが海外へ進出するようになっている。中国のアニメ「一人之下(the outcast)」や、「縁結びの妖狐ちゃん」、「鎮魂街」などは日本語版も作成され、アニメ業界を牽引する日本市場にも輸出されるようになっている。
「MYC動漫遊戯節」の主催者である峰岸宏行さんは、「聖闘士星矢やドラゴンボールの時代から、中国の制作会社は日本のアニメ制作に関わってきた。現在は、日本でアニメ制作に関わっていた中国のアニメーターが帰国して、自分たちの制作会社を立ち上げて活躍し始めている転換期であり、過度期。最近ではテンセントを始めとする企業がWEB漫画のプラットフォームを立ち上げており、それを受けて優秀なアニメ作品も誕生している」と紹介。
2014年、中国のアニメ業界の生産総額は初めて1000億元(約1兆6200億円)を突破。そして、2017年には1500億元(約2兆4400億円)に達し、漫画やアニメ、ゲームなどを好む「二次元」ユーザーの規模は約1億9000万人に上った。加工からオリジナル、作品から生産まで、中国アニメ業界は今、黄金の転換期を迎えている。峰岸さんは、「今の中国はアニメというツールを使って新しくビジネスを展開することを目指しており、それは初期の日本のアニメ製作の状態と似ていると感じる。中国のアニメ市場の問題は、いかにマネタイズしていくかという部分にかかっている。ちゃんとした資本が入り、日本の失敗から学び、マネタイズしていく道筋を作っていくことが中国のアニメ市場に大きく影響してくると思う」とした。(編集TK)
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「人民網日本語版」2018年9月7日
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