創刊15年の中国の学術誌「分子植物」、世界一の植物科学分野学術誌に
2021年度に21.949点のインパクトファクターにより世界植物科学研究誌のトップになった後、中国の科学研究者が運営する「分子植物」が今年再び快挙を成し遂げた。国際的に権威ある機関のクラリベイトがこのほど発表した雑誌引用報告書(2022)で、「分子植物」のインパクトファクターが27.5点に上昇し、植物科学分野学術誌(研究類や要約類などすべての学術誌を含む)の世界一に躍進した。人民日報が伝えた。
中国の植物科学は今世紀初頭に急発展期を迎え、中国の科学者による優秀論文が頻繁に世界トップの学術誌に掲載されるようになった。中国現地の世界一流の植物科学誌の創刊も当時、中国植物学界の共通する願いになった。中国科学院分子植物科学卓越イノベーションセンターと中国植物生理・植物分子生物学学会が2008年に、正式に「分子植物」を創刊した。
高効率で高品質の出版は常に、「分子植物」が守る原則だ。原稿の受領から校正終了まで18日間で終える。チームの確かな科学研究の背景は、学術誌全体の学術水準の安定的な向上の重要要素だ。「分子植物」は現在すでに8人の専門編集チームを擁している。メンバーの大半が中国内外の有名実験室の所属で、国際的な広い視野としっかりした学術的背景を持つ人だ。
「分子植物」の国内からの原稿が占める割合は近年、従来の3分の1から半分以上に上昇しており、同時にインパクトファクターが持続的に上昇している。これは国内の優秀論文の実質的な価値を十分に証明している。
その裏には、中国が近年科学技術イノベーションで取得したますます多くの注目される成果がある。「分子植物」執行編集長で、中国科学院分子植物科学卓越イノベーションセンター学術誌センター長の崔暁峰氏は、「国内の科学者も優秀論文を真っ先に当誌に投稿しようとするようになった」と述べた。
崔氏は一つの例を挙げた。中国科学院院士で、華南農業大学教授の劉耀光氏のチームは長年の研究を経て、2種類の稲新品種「紫晶米」「赤晶米」を相次いで開発した。コメの中にはそれぞれアントシアンとアスタキサンチンが豊富に含まれており、中国の栄養不足地域の人々の健康状況の改善に対して重要な意義がある。「分子植物」は巻頭論文の形式で劉氏のチームによる成果を連続的に発表し、世界の学術界から高く評価された。
崔氏は、「このような作物関連の研究成果は世界への貢献だけでなく、中国の特色を持つものでもあり、我々が重点的に注目していることでもある」と述べた。
「分子植物」は今年8月までに世界の8000以上の研究機関から購読されており、毎月の全文ダウンロード数は6万回以上にのぼる。中国科学院院士で、中国農業科学院作物科学研究所所長の銭前氏は、「『分子植物』は中国の植物学科の急発展を見守り、中国の植物学科の国際学術界における交流と展示に重要なプラットフォームを提供している」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2023年9月13日
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