「中国のシャトルの里」 中国のバドミントンシャトルの10個に6個が浙江省江山市産
第19回アジア競技大会(杭州アジア大会)が開催されたことがきっかけで、運動やフィットネスに対する注目が高まり、スポーツ用品も売り上げを伸ばすようになっている。
浙江省江山市は「中国のバドミントンシャトルの里」と呼ばれており、全国で重要なバトミントンシャトル(以下「シャトル」)の生産拠点の一つだ。
江山市で生産されているシャトル 画像提供は江山市体育局
「中国のシャトルの里」
2022年、江山市のシャトルの生産量は1億8000万個だった。中国のシャトルの10個に6個が江山市で作られている計算になり、韓国や東南アジア諸国などの国・地域にも輸出されている。
江山市のシャトル生産は、1980年代に始まった。当時、江山市ではハクチョウ産業が盛んで、中国最大のハクチョウ取引市場に成長した。
養殖・取引のほか、イノベーションが得意な江山の人々は、真っ白で、繊維がきめ細かく柔らかいハクチョウの羽根を捨てるのはもったいないことに気づき、何かに利用できないかと考えるようになった。そのようにして、シャトル製造業が始まり、どんどん大きくなり、飛ぶ鳥を落す勢いで発展した。
何年もの発展と育成を経て、江山市のシャトル産業チェーンが成熟し、航宇文体や江山多嬌、信達体育といった複数の代表的な企業が続々と誕生した。生産量増加と市場占有率の高まりを保ちながら、現地のメーカーは近年、材料の厳選や生産技術の向上などにも取り組み、競争能力を高めてきた。
江山市の美しい景色。画像提供は江山市体育局
生産過程がスマート化されシャトルの品質もアップ
メーカーの生産作業場では、ピッキングマシンが、羽根の形状や細かさ、反り・曲がりなどに基づいて、羽根を細かく選別していた。レーザーによる羽根の選別、羽根植え、かがり糸巻き付け、接着など、質の高いシャトル1個が市場に出回るまでに、20以上の工程を経なければならない。
生産効率とシャトルの品質を高めるために、江山市のシャトルメーカーは、続々と技術革新に取り組み、全自動化、標準化されたライン生産「スマートマシン」を開発してきた。こうして江山市のシャトルは飛躍的な発展を遂げるようになった。
江山市航宇文体用品有限公司の周建栄総経理は、「人に代わってマシンが作業するようになり、当社の生産能力は40%アップした。品質も高まり、全て手作業で作っていた時の合格率は75%だったが、今は95%以上になっている」と説明する。
シャトルの品質をチェックする作業員。撮影・宋超
同社の生産作業場では、自動化された生産ライン20本以上が、シャトルをフル稼働で生産していた。新しい技術を取り入れ続けているため、同社が生産するシャトルの型番は5種類から60種類以上にまで増えた。また、生産過程がスマート化されたことで、耐久性、精度などの面で、高い競争力を備えるようになったという。
自動化されている航宇公司のシャトル生産ライン。画像提供はは江山市体育局
海外市場開拓でブランドが大きく発展
農村発の企業で、小さな工場から大きな工場へ、従来的な生産から機械による生産への変化を経験し、さらに加工・制造から、ブランド確立に取り組むようになるなど、江山市のシャトル産業クラスターはイノベーションを遂げ続けている。
輸出主導型の企業としての浙江江山多嬌実業有限公司は、20年以上の発展を経て、たくさんの海外クライアントを抱えるようになっている。そのシャトルは韓国や日本、東南アジア諸国に輸出されている。商品もローエンドのシャトルから、大型競技大会の使用基準をもクリアするハイエンドのシャトルにレベルアップしている。
ここ数年、杭州アジア大会の開催が追い風となり、江山のシャトルの売上高も急増している。統計によると、今年1月から7月まで、江山市のシャトルの売上高は前年同期比で21.8%増となった。(編集KN)
「人民網日本語版」2023年10月10日
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