深圳の発電する小学校、電力の自給自足をほぼ実現

人民網日本語版 2023年10月10日13:42

広東省深圳市竜崗区坪地街道には、既存の建物が高度化されたニアゼロエネルギー消費小学校がある。ここでは至る所にグリーンと低炭素の足跡が見られる。炭素固定花園では、ハイビスカスやフカノキなどの炭素固定植物が活気に満ちており、建設廃棄物で作られたベンチがちりばめられている。プレハブ工法で作られた鉄骨構造階段に立つと、太陽光発電、エネルギー貯蔵、直流、柔軟性(PEDF)総合スマートエネルギーボックス、微気候雨水回収処理ボックス、風力・太陽光相互補完スマート街灯柱などのグリーンで省エネの設備が一望できる。これは中国初のPEDF小学校、坪地六連小学校だ。経済日報が伝えた。

1985年創立の坪地六連小学校は38年間の歳月を経て、安全リスクが高く、空間利用率が低く、1人当たりのエネルギー消費量・炭素排出量が多いといった問題を抱えており、年間平均の電力消費量は34万3000kWh、年間炭素排出量は158.7トン。深圳市竜崗区発展・改革局が今年3月に先頭に立ち、深圳市竜崗区建築工務署が同校の高度化工事を開始した。

中建科工集団有限公司研究院グリーン・低炭素研究開発ディレクターの魏瑩氏は、「従来のコンクリート建造物と比べると、鉄骨構造建築物は施工中に排出する炭素を15%、粉塵を59%、固体廃棄物を51%削減できる。高度化後の同校は技術の省エネ、太陽光発電、スマートエネルギー制御、データエンパワーメントにより、建築物本体の年間発電量を14万5000kWh実現し、電力の自給自足をほぼ実現できる。同時に再生可能エネルギーの利用率を53.77%に高め、炭素排出量を6.5トン、エネルギー消費量を78%削減できる」と述べた。

校内を歩いていると、学校東側にある白・緑二色の、「ゼロカーボンの未来」と記された3階建ての校舎がひときわ人目を引いていた。魏氏は、「これは新たに高度化されたニアゼロエネルギーエコ校舎で、各種の先端低炭素材料・設備を集積している。今回の高度化では保温ロックウールや二層中空低放射線ガラスなどの新型材料を選び、建築物のエネルギー消費を減らし、室内の熱的快適性を大幅に改善した。同時に空調システムと照明システムを高度化し、スマートな温度制御と照明を実現した」と述べた。

ニアゼロエネルギー消費エコ校舎の前には幅10.4m、奥行き3.9m、高さ3.2mの灰色の建築物があり、「ミニ発電所」に相当するものだ。深圳市竜崗区発展・改革局低炭素発展科の職員である黄奕文氏は、「ここは太陽光発電、エネルギー貯蔵、直流配電柔軟性電力消費を集めたPEDF総合スマートエネルギーボックスであり、PEDF学校全体のエネルギー制御中枢でもある。市電、太陽光発電、エネルギー貯蔵、建築物電力消費のバランスを調節する機能を持ち、学校に効果的・安定的で柔軟な電力消費を提供する。毎年の7月と8月は深圳の電力消費のピークである一方で、学校は夏休みで電力消費量が少ない。ミニ発電所はスマート協同を通じピークカット・ピークシフトを実現する。この小型環境の柔軟な電力消費の実践の成功は、大都市のグリーンな電力消費の模索を推進する上で重要なモデル的意義を持つ」と述べた。

エコ校舎の2階の図書室には、全校のエネルギー消費データをリアルタイムで表示するディスプレイがある。これはグリーンキャンパスのために特別に作られた「スマートブレーン」であるエネルギー・炭素監視管理プラットフォームのことだ。高度化工事を担当した深セン市竜崗区建築工務署前期二科建築エンジニアの侯微微氏は、「教室に設置されたスマートボックスは、スマート照明移動観測、環境モニタリング、暖房・換気制御などの機能を集積しており、スマートブレーンプラットフォームにデータをアップできる。学校はスマートブレーンにより校内のエネルギー消費及び炭素排出状況をリアルタイムで把握する上、データ分析を通じエネルギー消費の調節を速やかに行うことにより、学校のエネルギー消費や炭素排出などのデータの可視化、最適化、管理できる能力をさらに高めている」と述べた。

プロジェクトチームは高度化において、安全リスクがあり利用率が高くなかった花園を炭素固定花園に高度化した。そして透水性舗装により微気候雨水回収処理ボックスに雨水を集め、消毒処理後に植物に水を与える。黄氏は、「学校は年間で40トンの雨水を収集・再利用できると見積もる。そして雨水の回収と利用により水道水への依存を弱め、汚水処理の圧力を下げることもできる」と述べた。(編集YF)

「人民網日本語版」2023年10月10日

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