23日は「重陽節」 漢の時代の長安に起源

人民網日本語版 2023年10月23日16:32

中国古代の人々は、奇数は縁起のよい「陽」の数とし、「陽数」である9が重なる9月9日を重陽節(旧暦9月9日、今年は10月23日)とした。そして、中国では「九九」と「久久」が同じ発音であるため、「長寿」を祝い、邪気を払い「長寿」を願う思いが、そこに込められている。中国の伝統的な祝祭日である「重陽節」は、漢の時代の長安に起源を発し、唐の時代に正式に祝祭日となった。

「重陽節」に菊花酒を飲むのはなぜ?

重陽節で行われる伝統的な祭酒の儀式(撮影・呂明)。

重陽節で行われる伝統的な祭酒の儀式(撮影・呂明)。

昔の人々は、「重陽節」に菊花酒を飲むと、寿命を延ばすことができると考えたほか、親戚や友人への贈り物としていた。

秋が深まる頃である旧暦9月ごろは、草木が緑から黄色に変わる季節。そんな中、菊の花が美しく咲き誇る様子は、万物が冬に向かって命が尽きていく中で、その命を延ばそうとするかのように見える。そのため、菊は「延年客」、「延寿客」とも呼ばれ、「重陽節」に長寿を祝う漢詩に度々登場している。

「重陽節」に高い所に登って遠くを眺めるのはなぜ?

江西省の武功山の草地に設置された遊歩道を登る観光客(撮影・劉力鑫)。

江西省の武功山の草地に設置された遊歩道を登る観光客(撮影・劉力鑫)。

「重陽節」の日に、高い所に登り、遠くを眺めるのは、災難を払う風習に端を発している。秋が深まり、肌寒くなっている「重陽節」の頃は、秋の収穫も終わっている。室内で過ごすことが多くなる冬がもうすぐ到来するため、人々は高い場所に登って、大自然と別れを告げようという思いも込められ、深い自然の哲理と人生の哲理がそこにある。

家族が住む生まれ故郷を離れて生活している人にとっては、高い所に登り、遠くを眺めると、郷愁が呼び起こされるものだ。唐の時代の詩人・王維は、「九月九日憶山東兄弟」の中で、「独り異郷に在りて異客と為る、佳節に逢う毎に倍親を思う」と詠み、この漢詩は1000年以上経った今に至るまで伝え続けられてきた。

そのため、重陽節の日に高い所に登ることには、時間や空間という視点から、災難を払うという信仰、生まれ故郷や家族を思う人々の気持ちが込められている。また、「高」は「高寿(長寿)」とも関係があるほか、中国語の「九」と「久」は同じ発音で、どちらにも長寿を祈る気持ちが込められている。(編集KN)

「人民網日本語版」2023年10月23日

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