中国が5.5Gの発展に取り組むのはなぜか?
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華為(ファーウェイ)技術有限公司はこのほど、9月初めに全ての機能テストを終えたのに続き、このほどIMT-2020(5G)推進グループによる5G-A重要技術のテストを全面的に終了し、複数の技術性能で重要なブレークスルーを達成し、5G-Aが加速度的に現実化すると発表した。
5G-Aとは「5G-Advanced(5G-アドバンスド)」の略語で、5Gの機能強化バージョンとされる。業界では、5G-Aは遅延、帯域、速度、信頼性などの重要な指標で5Gと6Gの間にあるものであるとされている。そのため、多くの人に「5.5G」と呼ばれている。
5.5Gの5Gより優れた点は何か?
データを見ると、5Gは全ての通信技術の中で発展ペースが最も速い。4Gはユーザーが10億人になるのに6年かかったが、5Gはわずか3年でこの一里塚に到達した。現在、世界には260以上の5Gネットワークがあり、世界の人口の半数近くをカバーしている。
5.5Gはもっと速く、もっと力強いのか?
5.5Gの正式名称「5G-Advanced」から容易にうかがえるのは、これが5Gの進化版・機能強化版であることだ。その位置づけを見ると、通信技術が5Gから6Gに移るときに必ず通るところ、両者をつなぐものであり、「既存のものを受け継いで新しいものを切り開く」重要な役割を果たしている。技術力を見ると、ネットワーク能力を5Gよりも少なくとも10倍向上させることができる。
このほど終了した第19回アジア競技大会(杭州アジア大会)では、杭州オリンピックスポーツセンターと杭州アジア大会選手村を結ぶ景観のよい道路・観瀾路が人気の高い観光地になった。通信キャリアはここに5.5G通信ステーションスポットを13ヶ所設置している。最大10Gbpsのネットワーク速度を実現し、5Gのギガネットワークに比べて能力が10倍向上し、高速で移動する車の中でも、5Gbpsの下り速度を測定した。
また5Gから5.5Gへの進化により、モノのインターネット(IoT)の接続デバイス数が100億台から1000億台に増えた。ネットワークの信頼性は99.99%から99.999%へ、さらには99.9999%へと高まった。屋内での測位の精度はサブメートル級からセンチメートル級に向上した。
より重要なことは、5.5Gには通信と感知の一体化、電源レスIoT、内生知能などの「超能力」が備わるということだ。
通信と感知の一体化を例にすると、5.5Gは4Gや5Gと異なり、通信を実現するだけでなく、感知能力も備えており、感知した味覚、触覚、嗅覚、さらには人の「考え」まで、複雑で多彩な情報をリアルタイムで他の人と共有することができる。これは通信技術が現在のように発展する中で初めて獲得した、感覚器官を超えて情報を収集し伝達する能力であり、狭義の通信の範疇をはるかに超えている。
中国移動通信集団浙江有限公司計画技術部の5G技術専門家の徐林忠氏は、「5G-A(5.5G)の革命的な技術力が、ユーザーにこれまでとは異なる多くの体験をもたらすだろう。こうした能力は各業界の情報化、デジタル化、スマート化プロセスを極めて大幅に加速する上、裸眼3D、低空域経済、AIoTなどの新興産業の発展に力強い推進力を提供することになる」との見方を示した。
5.5Gスマホは登場するか?
一般のユーザーが5.5Gを体験したいと思ったら、スマートフォンをはじめとするデバイスを真っ先に選ぶことになる。
情報によると、早ければ年内に大手スマホメーカーのフラッグシップスマホが5.5Gの通信速度の標準――下り5Gbps、上り500Mbpsに達する見込みだ。現在、各大手メーカーは5.5G半導体の能力テストを進めており、早ければ24年上半期に商用化されるという。これは真の5.5Gスマホがその頃に登場する可能性があることを示してもいる。
より重要なことは、5.5Gは5Gの産業応用市場をより拡大し改善するだろうということだ。裸眼3Dを例にすると、今後は5.5Gの技術力によって、ユーザーはスマートグラスをかけなくても、スマホやテレビなどのデバイスを通じて、裸眼で3D映画を鑑賞したり、3Dゲームをプレイしたりすることが可能になると予想される。そうなれば従来のデバイスの使用体験を根底から覆すことになる。(編集KS)
「人民網日本語版」2023年10月27日
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