内蒙古の「空中牧場」、年間通して家畜に新鮮な牧草を提供

人民網日本語版 2023年12月08日13:33

内蒙古(内モンゴル)自治区鄂爾多斯(オルドス)市鄂托克旗蘇米図蘇木の敷地面積140平方メートルの牧草水耕栽培拠点で、一粒一粒の種が人工照明、自動噴射、液体循環などの技術により、7日間で青々とした草に成長できる。牧草の1日当たり生産量で50頭の牛を飼育でき、現地住民から「空中牧場」と呼ばれている。新華網が伝えた。

この空中牧場に足を踏み入れると、高くそびえる自動化育苗棚に牧草がずらりと並んでおり、育苗棚には人工照明や温度・湿度モニターなどの設備がすべて揃っていた。

空中牧場の責任者である哈斯巴図氏(40)は鄂托克草原で育ち、家畜飼育業に従事していた。哈斯巴図氏は2015年にオーストラリアで「牧草の水耕栽培」を見学した際に、試験的に栽培しようと考えた。哈斯巴図氏は2016年に帰国するとコンテナを利用し、牧草の水耕栽培を試験的に行い、成功を収めた。哈斯巴図氏は2019年から再びコンテナを使い、家畜飼育における牧草の年間需要を満たそうと、牧草の大量かつ安定的な水耕栽培を行った。

哈斯巴図氏は2020年に機械製造メーカーと提携し、「農業+工業」モデルにより牧草の水耕栽培の現代化農業管理を試みるとともに、牧草のスマート化水耕栽培拠点を研究開発した。今年2月には国家知的財産権局から実用新案権を取得した。

今年4月に全スマート第3世代牧草水耕栽培拠点が稼働開始した。種子選別、殺菌消毒、浸漬・発芽促進、トレイ育苗、牧草刈取を一体化した完全自動化生産ラインを完成させており、「農業+工業+スマート化」モデルにより、牧草の水耕栽培のより全面的で正確な管理が行われるようになった。

哈斯巴図氏は、「牛や羊が食べる牧草が野菜のようにハウス内で育ち、季節の制限を受けないようにできるとは考えもしなかった。現在は寒い冬だが、家畜は新鮮な牧草を食べられる。飼育コストを削減しただけでなく、牧草の栄養価も上がった。試験データによると、家畜の新鮮な牧草の消化率は70%に達し、エネルギー変換効率は90%にも達し、従来の乾いた牧草をそれぞれ40%、80%上回っている。農家・遊牧民が年間通してこの牧草を使えば、飼料コストを40%削減できる」と述べた。(編集YF)

「人民網日本語版」2023年12月8日

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