中国、南極での科学観測ツアーなどが人気に
南極科学観測ツアーが現在、ネット上で大きな人気を集めている。料金12万9000元(1元は約20.6円)で17日間に及ぶ南極観測ツアーは販売開始後、たちまち売り切れた。南極だけでなく、北極、島、火口、熱帯雨林、東アフリカの大草原、茶馬古道などの遠方を訪れる人々の目的は、風景の裏側にある科学の美と文化的物語を深く理解し、感じ取ることだ。工人日報が伝えた。
料金が高いことは、大半の観光客に科学観測ツアーへの参加をためらわせる最大の理由だ。事実、話題になっている極地探検の料金はほぼ10万元以上だ。しかし極地探検は科学観測ツアーにおける比較的特殊で専門的な商品に過ぎず、すべてが極地探検というわけではない。
「中国国家地理科学調査」公式アカウントによると、現在販売中の商品の価格帯は1−2万元の国内外観光路線が大半を占めており、自然科学観測、世界遺産訪問、歴史・地理調査などが含まれる。
ある大手観光プラットフォームでは、約10日間のケニア動物移動科学観測ツアーの平均料金は1万3000元ほどとなっている。市場では、天文、水文、鍾乳洞、ロケット打ち上げなどを対象とする科学観測ツアー商品の料金は、数百元から数千元となっている。
江蘇省如皋市竜遊湖外国語学校国際高校3年生の顧梦鑫さんは今夏、阿爾山(アルシャン)火山科学観測プログラムに参加した。料金は9800元。「ツアー中は様々な分野の専門家が交代で解説してくれたし、夜は単独の実操作または理論の授業があった」と顧さん。
顧さんにとってさらにサプライズとなったのは、ツアー参加者に臨床医学や治水に従事する人もいれば、小学生や中年の人もいた点だ。旅行、地理、人生について語り合い、非常に勉強になった。この旅行で顧さんは大学で地理専攻を志望する決意を固めたという。
国際南極旅行業協会(IAATO)の統計によると、南極観光に行く中国の観光客数は2位を占めている。中国の観光客数は早くも2017−18年の南極観光シーズンに米国に次ぐ8273人に達し、全体の16%を占めた。22−23年の南極観光シーズンの中国の観光客数は1464人。
李卓然さんは「南極の夢」を叶えた一人だ。李さんは年初、22日間に及ぶ南極3島の科学観測ツアーに参加した。李さんがこのツアーから受けた印象について語る際に最も多く使った言葉は「感動」だった。「国際クルーズだったため、船の大半が外国人だった。極地ツアーに14回参加している人や天体物理学者、50年前の約束を果たすために姪っ子を連れてきた83歳のおばあさんといった意外な人が多くいた。私はその過程において、交流し外に出て初めて視野が広がり、より多くの人の生活を目にできると感じた」と李さん。
一般的な旅行と異なり、科学観測ツアーは通常、歴史、考古学、地質、自然科学、動植物などの専門家が率いる。科学者と業界の専門家と行動を共にし、しかもその全過程が非常にニッチな目的地である上、没入型の解説と探検的な体験があり、体験度を重視する観光客と知識を得る旅を求める人々にとってコストパフォーマンスが高いものだ。(編集YF)
「人民網日本語版」2023年12月6日
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