中国、2000℃の高温に耐える超高強度セラミック材料を開発

人民網日本語版 2024年01月15日14:23

華南理工大学材料科学・工程学院の褚衍輝氏の研究チームはマルチスケール構造設計により、超高強度と高断熱性を兼ね備えたハイエントロピー多孔質ホウ化物セラミック材料の作成に成功した。同材料はさらに2000℃の高温における安定性を示した。関連する研究成果はこのほど、国際的な学術誌「アドバンスド・マテリアルズ」に掲載された。科技日報が伝えた。

褚氏は、「単純に多孔質セラミックの相対密度を下げれば、材料の断熱性を大きく高められるものの、往々にして材料の機械的強度の大幅な低下を招くことになる。また従来的な多孔質セラミック材料の耐熱性は一般的に1500℃を下回る。高温での使用においては体積の縮小や機械的性質の低下といった問題にたびたび直面する」と説明した。

研究チームが作成したこのハイエントロピー多孔質ホウ化物セラミック材料の優れた性能には、ミクロスケールで構築した超微細孔、ナノスケールの結晶粒界の強い結合、そして原子スケールの深刻な格子ひずみという3つの「秘訣」がある。

ミクロスケールでは、チームは超高温急速合成技術により数十秒内に焼結を完了し、結晶粒の成長を抑制することにより、材料内で均一的に分布するサブマイクロメートル級の超微細孔を構築した。ナノスケールでは、チームはさらなる固溶体反応により、結晶粒界の強い結合を構築した。原子スケールでは、チームは9価陽イオンの深刻な格子ひずみを導入することにより、結晶格子内部の応力場と質量場の波動を高め、ホウ化物の固有の機械的強度を高めた。

機械的性質テストでは、この材料は高い高温圧縮強度、優れた断熱性、熱安定性を示しており、航空・宇宙飛行、エネルギー・化学工業の分野において広い応用の見通しがある。(編集YF)

「人民網日本語版」2024年1月15日

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