中国の科学者、バイオミメティクス低炭素新型建材を開発

人民網日本語版 2023年09月27日09:25

中国科学院理化技術研究所の研究チームは自然界のサンドキャッスルワームの巣作りの様子からヒントを得て、低温・常圧条件下において力学的性能が優れたバイオミメティクス新型建材を作り、建築分野の省エネルギー・排出削減に新たなアプローチを提供している。関連成果はこのほど国際的な学術誌「Matter」に掲載された。新華社が伝えた。

論文の連絡著者で、同研究所研究員の王樹濤氏は、「従来のセメント建材は生産過程において大量のエネルギーを消費し、同時に大量の炭素を排出する。新型低炭素建材の開発には重要な意義がある」と述べた。

中国内外では近年多くの研究が行われている。粘着剤で砂やスラグなどの固体粒子をつなげて天然由来の建材を形成することが試みられた。だがこの種の材料は強度が低く、実際の建築の需要を満たすことが難しかった。

研究チームは今回の最新の研究でバイオミメティクスを採用し、天然のバイオミメティクス低炭素新型建材を設計した。論文の筆頭著者で、同研究所博士課程在学中の徐雪濤氏は、「サンドキャッスルワームは陽性と陰性のタンパク質が混ざった粘液を分泌することにより、砂をつなげて頑丈な巣を作る。ここからヒントを得て、チームは陽性の四級化キトサンと陰性のアルギン酸ナトリウムを使いバイオミメティクス接着剤を作り、各種固体粒子をしっかりつなげた」と述べた。

王氏は、「この天然由来のバイオミメティクス低炭素新型建材の圧縮強度は17MPAにも達し、通常の建材の基準を満たせる。この材料はさらに優れた耐老化性と耐水性、及び独特なリサイクルの性能があり、低炭素建築分野で高い応用のポテンシャルを持つ」と述べた。(編集YF)

「人民網日本語版」2023年9月27日

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