武術で人々を魅了する甘粛省天水市の張含亮さん
3月上旬、甘粛省天水市秦州区にある伏羲廟の裏にある古民家の前で、「女侠客」の張含亮さんが、プリーツスカートタイプの中国伝統衣装・馬面裙を着て、太極拳や剣術を披露。風を切るようなキレのある動きを見せていた。中国新聞網が報じた。
中国の「武術の里」と呼ばれる天水市武山県の医学・武術を代々受け継ぐ家に生まれた張さんの父親・張鴻謀さんは、武術名医で医学博士、甘粛省の著名な中医薬の専門家だ。
天水古城を散歩する張含亮さん(撮影・李亜龍)。
こうした家庭環境や受け継いだ遺伝子の影響からか、張さんは武術という体を使った表現に対する感性に優れていた。そして父親と兄の勧めで小さい頃から武術の練習を始め、練習の際には、父親と兄がいつも励ましながら教えてくれたという。
8歳の時、2番目の兄に勧められて、張さんは武威市体育運動学校に通うようになり、その時から厳しく長い武術の練習の日々が始まった。張さんは全校生徒の中で最年少だったものの、毎日の練習で行うルーティンの後にも、自主練を欠かさなかったという。同校で6年間厳しい練習を積んだ彼女は並はずれた根気と意志の強さを身につけた。
天水古城で太極拳を披露する張含亮さん(撮影・李亜龍)。
2003年9月、武術の面で素晴らしい成績を収めた張さんは、甘粛政法大学にスポーツ特待生として入学した。その後、2007年に大学を卒業してからは、生まれ故郷にある天水師範学院で武術の教師になった。
張さんは、「武術が私を成長させ、健康な体と優れた精神状態を与えてくれたほか、自分らしく、自信を持って生きることができるようにしてくれた。私の人生は本当に素晴らしさに満ちており、そんな素晴らしさを与えてくれたのが武術。自信を持ち、強く勇敢に独り立ちできている」と話す。
天水古城の古民家の前で剣術を披露する張含亮さん(撮影・李亜龍)。
2007年3月、張さんは初めて海外へ行き、フランス・パリで「ベルシー国際文化武術フェスティバル」に参加して、武術を披露した。その時、1万人以上の観客の前で、張さんが兄と3人で、中国の武術を披露すると、会場から万雷の拍手が沸き起こった。そして、開催責任者が走り寄ってきて抱きつき、「素晴らしい、素晴らしい!」と大絶賛し、全員がサムズアップで励ましてくれたと言い、「その時、民族文化を誇りに思う気持ちが心に焼き付いた」と振り返る。
張さんは、「武術は、国際文化交流において、独特の役割を果たしている。武術で使われている専門用語や一部の技術に込められているものを正確、かつ分かりやすく翻訳するために、大学の選択科目でフランス語を学んでいた。そのため、海外に行った時にとても役に立った。言葉というのはツールの一つで、うまく使いこなせれば、中国伝統の武術、文化などを、正確に世界の人々に伝えられると思う」と話す。
ロシアで中国武術を教える張含亮さん(写真右、写真提供・張さん本人)。
張さんは近年、武術を練習するショート動画を定期的に撮影して、投稿しており、フォロワーは800万人以上に達している。「インターネットを通して、海外までより広い範囲に発信することができる。動画を通して、一人でも多くの人に中国の伝統武術の魅力を知ってもらいたい」と張さん。
ロシアで中国武術を教える張含亮さん(写真右、写真提供・張さん本人)。
そして、「中国武術の内容は極めて多く、非常に奥深い。こんなにたくさんの文化体系があるのに、知らない人が多いのでとても残念に思う。個人メディアプラットフォームを通して、一人でも多くの人にそれを知り、理解し、好きになってもらいたい」とした。(編集KN)
「人民網日本語版」2024年3月21日
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