西北地域の乾燥地帯、氷河の融解が加速

人民網日本語版 2024年08月07日09:47

中国科学院新疆天山氷河国家野外観測研究ステーションが発表した最新の研究成果によると、将来、どのような気候シーンであっても、降水量が増加するか否かに関わらず、中国西北地域の乾燥地帯の面積0.5平方キロメートル未満の氷河は21世紀半ばに融解により消滅する。そして21世紀末には面積2.0平方キロメートル未満の氷河も消滅し、面積10平方キロメートル未満の氷河に残される氷の量が30%を下回る可能性がある。新華社が伝えた。

同ステーションが4日に明らかにしたところによると、科学研究者は第3回新疆総合科学観測などのプロジェクトの支援を受け、西北地域の乾燥地帯の氷河資源及びその変化の研究を開始した。すでに同地域の氷雪の過去50年間近くの変化を明らかにし、将来の氷河及びその融解水の流出量の変化を予測している。

同ステーションの責任者である王飛騰氏は、「地球温暖化により、西北地域の乾燥地帯の新疆域内の氷河総面積が11.7%縮小した。縮小率はエリアによって8.8−34.2%の幅がある。氷河の融解加速の潜在的な影響は、川の流出量への寄与と調節効果、気候のフィードバック効果への影響、景観・環境資源への影響などの面に現れる」と述べた。

さらに科学研究者は研究により、氷河の融解加速により初めて生じる変化は流出量の増加で、一部の大型氷河影響地域で氷河による災害が起こり、そして氷河の面積縮小により氷河融解水の流出量の「ターニングポイント」が生じることを発見した。

王氏は、「氷河の被覆率が低く、小型氷河を中心とする流域では、その氷河融解水の『ターニングポイント』がすでに現れている」と補足した。

氷河は西北地域の乾燥地帯の重要な水資源だ。中国第2回氷河目録のデータによると、新疆の現存する氷河は2万695本で、中国の氷河全体の42.6%を占めている。総面積は2万2623平方キロメートルで、中国の氷河総面積の43.7%を占めている。(編集YF)

「人民網日本語版」2024年8月7日

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