8月12日は「世界ゾウの日」 雲南省のアジアゾウは300頭以上にまで回復

人民網日本語版 2024年08月12日14:27

8月12日は「世界ゾウの日」。長年の努力を経て、中国のアジアゾウの個体数は安定して増加し、分布範囲も拡大し続けている。ゾウの個体数が増え、生息地も拡大しているのを背景に、そのモニタリングや保護もさらに強化されている。

雲南省普洱(プーアル)市寧洱哈尼(ハニ)族彝(イ)族自治県で昼寝をする野生アジアゾウの群れ(資料写真。撮影・王思崎)

雲南省普洱(プーアル)市寧洱哈尼(ハニ)族彝(イ)族自治県で昼寝をする野生アジアゾウの群れ(資料写真。撮影・王思崎)

雲南省林草局が提供しているデータによると、雲南省の野生のアジアゾウの個体数は300頭以上にまで増え、生息地も急速に北に向かって拡大して、3州・市、11県・市・区、61郷・鎮に生息するようになっている。また今年の繁殖期は再び高い出生率となっており、個体数は拡大の一途をたどっている。

調査データによると、近年、雲南省のアジアゾウには個体数の増加と個体群の拡散、習性の変化という3つの面で目立った変化が生じている。

これらの変化は、雲南省がアジアゾウ保護を強化していることの成果であるものの、「ぜいたくな悩み」ももたらしている。例えば、以前であれば、野生のゾウは人間を怖がっていたものの、今では人間に慣れ、餌を求めて田畑や村にまで侵入することが増えている。そして、食性が変化し、人間とゾウの両方が活動する空間が拡大している。そのため、雲南省は人間がゾウに遭遇することがないように、効果的なモニタリングを行い、予めアラートを発令する方法を模索し続けている。

以前は野生のゾウの活動範囲を制限する措置を講じていたものの、アジアゾウはその体躯の大きさから、採餌に向かうルートやエリアを効果的に制限することが難しく、フェンスや侵入防止のための溝を設けるといった措置では理想的な効果を得られていなかった。そのため現在は、新たな対策として、モニタリングとアラート発令という方法が採用されている。住民たちにどこにゾウがいるかを伝える方が、ゾウの移動をコントロールするよりも、より柔軟で効果的だからだ。野生のゾウの活動をはっきりと把握すべく、アジアゾウが頻繁に通過する西双版納傣(シーサンパンナ・タイ)族自治州の関坪村には、音と光でアラートを発令するモニタリングシステムを設置し、野生のゾウの活動を24時間態勢でモニタリングしている。

さらに、点と点を繋いで面にし、オンラインで情報交換を行うバックグラウンド管理プラットフォームを開発し、スマートアラート装置を177台設置した。そして、クラウドコンピューティングセンターが、現場に設置されている設備から送られてくる映像データを分析して、アジアゾウがいるのを察知すると、アラートを直ちにスマートアラート装置やスマホのアプリに送信して、付近にいる人々に外出する際は注意し、ゾウの群れが出没するエリアから離れるよう呼び掛けている。このようにデータ収集から、秒単位でアラートを発令することができるリアルタイムアラートを実現している。「アジアゾウのモニタリング・アラートプラットフォーム」の導入が始まって以来、延べ10万回のアラートが発令され、「人間とゾウの遭遇」を効果的に回避している。(編集KN)

「人民網日本語版」2024年8月12日

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