北京にある365日無休の書店内にある図書館
北京市の目抜き通り・長安街にある「王府井書店」は、寒い冬の日も、暑い夏の日も、中国各地から来た客で賑わっている。新中国が成立した1949年にオープンしたため、「共和国で最初に開いた書店」と言われている「王府井書店」が誇る歴史と物語は、他の書店とは比べることができない。
「王府井書店」は今年2月10日、創立75周年を迎えた。この75年の間、戦火が飛び交う激動の時代であっても、平和で繁栄した今の時代であっても、先進的な文化を発信し、思想や知恵を伝承するという使命を果たし続け、多くの人が文化を楽しみ、精神を養う場所となってきた。
1949年1月31日、中国人民解放軍が北平城(現在の北京)に入り、平和的解放を宣言し、2月10日に「王府井書店」の前身となる「北平新華書店第一門市部」がオープンした。
この75年間に3度の拡張工事を経てきた「王府井書店」
簡素な店構えだった「王府井書店」は1950年に4階建てのビルに移転し、売場面積が拡大した。そして、本の種類や数が中国、ひいてはアジアで最も多い書店となった。
1951年、「毛沢東選集」第一巻を購入するために「王府井書店」の前に集まった人々。
1970年4月に2回目となる拡張工事が行われた「王府井書店」がリニューアルオープンした。その総建築面積は6300平方メートル、売場面積は3600平方メートルで、アジア最大の書店となった。
1970年の拡張工事後の「王府井書店」。
1960-70年代に、「王府井書店」の1階の入口から店内に入る大勢の人。
1994年11月13日は、「王府井書店」にとって忘れられない日となった。首都の建設と発展に合わせて、「王府井書店」が移転しなければならなくなったからだ。その営業最終日、従業員全員が店の前に並び、客との別れを惜しんだ。冬の足音が近づき、肌寒い日だったにもかかわらず、数多くの人が押し寄せて、45年の間に20億冊もの書籍を提供してきた同書店に対する感謝の気持ちを表した。
それから約6年後の2000年9月26日、装いを新たにした「王府井書店」が再びオープンした。移転後の「王府井書店」の売場面積は以前の3倍に拡大し、近代的な施設が売りとなり、北京の文化的ランドマークにもなった。
2000年9月に、装いを新たに6年ぶりにオープンした「王府井書店」。
2000年、6年ぶりにオープンした「王府井書店」の入口前に押し寄せた大勢の人。
王府井書店のおすすめコーナー。
「王府井書店」の3階にあるキッズコーナー。
新しいものを取り入れ、進化し続ける「王府井書店」と客の「絆」は近年、ますます強まっている。「王府井書店」と「東城区図書館」が共同で書店内に設置した「王府井図書館」は、これまでの図書館の経営スタイルを打破し、客が選んだ書籍を図書館が購入して、それを貸し出すという革新的なスタイルを打ち出した。「王府井図書館」がオープンしたことで「王府井書店は図書館の一部の機能を兼ね備えるようになり、その公共文化サービス提供者としての役割が強化された。
「王府井図書館」の蔵書数は現在、1万冊以上となっており、毎月1万人以上の読者が利用している。そこは、北京市で初めて書店の中に設置された365日無休の公共文化読書スペースとなっている。(編集KN)
「人民網日本語版」2024年9月6日
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