【撮影者は語る】菅原寿和氏「キャンピングカーで中国を旅しながら撮影したい」

人民網日本語版 2024年12月19日17:09

中国国際航空公司日本支社と人民網日本株式会社が共同で主催する「心に映る中国」日本人がとらえた中国フォトコンテスト2024は3月18日からスタート。約3ヶ月間にわたる応募期間中、中国各地で撮影された作品が合わせて約1000点寄せられた。このコーナーでは、「撮影者は語る」と題し、撮影者に写真を撮影した過程で出会った事柄や中国の印象、感じたことなどを語ってもらった。今回は二等賞を受賞した菅原寿和さんにインタビューした。

菅原寿和さん

2003年から上海市に在住する会社員。

カメラを何となく始めたのは約10年前。何気ない中国の日常をSNSにアップしていく目的で始めました。その後、上海でカメラをやっている仲間が増え始め、彼らの影響を受けて、徐々に本格的に写真を撮り始めるようになりました。写真では「これが正解」という作品はないので、撮影と反省を繰り返し、勉強を続ける日々です。

Q:受賞作品「外灘龍」について

「心に映る中国」日本人がとらえた中国フォトコンテスト2024で二等賞を受賞した菅原寿和さん撮影の「外灘龍」。

「心に映る中国」日本人がとらえた中国フォトコンテスト2024で二等賞を受賞した菅原寿和さん撮影の「外灘龍」。

撮影場所は上海市の外灘(バンド)で、朝7時くらいに行き、カメラを片手に歩いていたところ、龍舞を練習している一人のおじさんに出会いました。

龍舞は漢族の民間舞踊の一つで、中華民族が団結して力を合わせ、奮発して開拓する精神的な姿を体現しており、天人の調和や人類に幸福をもたらす意味もあり、祝い事などでもよく見られる舞踊です。また龍が玉を追いかける様子を模しており、皇帝の御前で披露するための演舞でした。

最近では龍舞を練習している人はあまり見かけないので、私はおじさんに許可を求めてから撮影させてもらいました。おじさんは近所に住んでいて健康のために龍舞を練習しているそうで、私は外灘で偶然出会ったことになります。本当に運が良かったと思います。

Q:素晴らしい撮影作品とは?

本当に優れた写真とは、ずっと見ていると写真の方から語り掛けてくるような作品だと思います。つまり1枚の写真の中に物語があり、動きがあり、躍動感があり、創造性が感じられる写真は素晴らしいと思います。そして写真から息遣いが感じられるような作品には特に感銘を受けます。

Q:中国での撮影の過程で、印象深かったエピソードは?

上海の外灘で日の出の写真を撮ろうと、朝4時に行ったことがあります。辺りはまだ薄暗く、外灯と対岸の浦東のビル群に灯る照明の明るさの中で私は三脚を立て、一眼レフカメラをセットしました。当日は暑くもなく、寒くもないといったような気温で、浦東のビル群全体には薄っすらとした霧がかかっており、とても緩やかなスピードで流れていました。暫く待っていると、サーッと目の前を霧が明けていきました。それはまるでカーテンを引いたように瞬く間に私の前から消えてなくなり、その直後に浦東のビル群の間から朝日が顔を出し始めました。幻想的な光景を目の当たりにした私はテンションが上がり、シャッターを切り続けました。

朝焼けに照らされる上海浦東のビル群(撮影·菅原寿和)。

朝焼けに照らされる上海浦東のビル群(撮影·菅原寿和)。

Q:「一度は絶対に行くべき」おすすめの中国の場所は?

私が訪れた中で感銘を受けた場所は安徽省黄山市の黄山と湖南省張家界市の天門山です。

安徽省黄山市にある山岳景勝地・黄山は、まるで仙境のような独特の景観から、「黄山を見ずして、山を見たというなかれ」と称えられたほど魅力的な山です。海から流れ込む湿った空気が標高1000メートル以上の峰々に漂い、大量の霧や雲を発生させています。花崗岩でできた黄山の山々は中生代にできたもので、氷河や風雨による岩石の浸食が1億年にわたって繰り返され、現在のような断崖絶壁の景観が作り上げられました。5分ほどその場に立っているだけで、雲がゆっくりと流れていく圧巻の様子を眺めることができ、まさに「これぞ雲海」と感心しました。

黄山(撮影·菅原寿和)

黄山(撮影·菅原寿和)

黄山(撮影·菅原寿和)

黄山(撮影·菅原寿和)

もう一つの天門山は、湖南省張家界市の名山です。標高1519メートルの天門山の主役は岩山にぽっかりと穴が開いている天門洞風景区で、その洞は高さ131.5メートル、横幅57メートル、奥行は60メートルあり、40階の高層マンションに相当する高さになります。断崖絶壁ギリギリのところに散策路があるため、スリリングなハイキングを楽しむことができます。山頂からは雄大な景色を一望することができます。道中は「凄いな、凄いな」と、ひとり呟きながら歩いていました。その自然の壮大さは筆舌に尽くしがたいものがあります。

湖南省張家界市天門山景勝地を訪れた菅原寿和さん。

湖南省張家界市天門山景勝地を訪れた菅原寿和さん。

Q:中国での生活で感じることは?

2003年から現在までずっと上海生活を続けていますが、中国の経済発展には目を見張るものがあります。あっという間に地下鉄が15路線以上も増え、高層ビルや高速道路が完成し、そしてスマートフォンの普及に伴い、街中にはシェア自転車が登場し、買い物では電子決済が主流となり、今では老いも若きもスマホで決済する時代となっています。時代の変化に伴い、人々の意識や行動が変わっていく様を目の当たりにし、経済成長の変遷を自分の目で見ることができました。経済の流れが速い中国では、今後どのように進展していくのか楽しみです。

Q:今後の計画や目標は?

これまで北京市や天津市、吉林省、遼寧省、山東省、山西省などの17省(自治区・直轄市)を訪れました。特に大きな夢や計画はないですが、キャンピングカーを運転して中国国内旅行を楽しみながら写真を撮り歩いてみたいと思っています。

「人民網日本語版」2024年12月19日

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