若者の生活に溶け込む「中国スタイルの美学」
「中国スタイルの美学」が今、多くの若者の暮らしにますます溶け込むようになっている。中国新聞社が報じた。
絵を描いたり、展覧会を見学したりするのが好きという湖北省武漢市の女性・楊帆さんは、中国伝統の要素を取り入れたネイルチップを作成している。
武漢市の女性・楊帆さんが作成した青花スタイルのネイルチップ(撮影・武一力)。
楊さんは2023年10月、中国の伝統技法の一つである「螺鈿」に偶然出会った。その後、材料を自分で購入し、螺鈿を真似た技法を用いて、貝殻をそれぞれ異なるスタイルに薄く磨き上げた後、蝶々や花の形にカットし、ネイルチップに埋め込むようになった。
楊さんは、武漢博物館の青花纏枝蓮紋葫蘆瓶にインスピレーションを得たネイルチップも作成している。まず、岩絵具でセラミックホワイトのベースカラーを塗ってから、筆で青花の模様を描き、何日もかけて濃い藍色の青花スタイルのネイルチップを仕上げていった。そしてネット上で紹介したところ、問い合わせが殺到し、海外企業からの注文まで舞い込んだという。
楊さんは、「初めは、中国スタイルのネイルチップはニッチだと思っていたけど、意外にも使ってみたいと思う人がたくさんいた。私は中国人なので、ある程度の年齢になって、伝統的なものが好きになる『中国人の血』が騒ぎ始めたかも」とした。
1月6日、宋代のスタイルでお茶を点てる湖北省武漢市のデザイナー馬暁月さん(写真左)と「茶芸師」(撮影・武一力)。
「Z世代」のデザイナー・馬暁月さんは、宋代(960-1279年)の美的理念に夢中になっている。「宋代には、茶館があちらこちらにあった。その時代の人々はゆったりとした生活を送り、それを代表するのが茶」と考える彼女は、武漢に宋スタイルの茶館を開くことにした。
馬さんは、ティードリンクや宋代の絵画、園林建築などに関する書籍を研究し、自分で茶館のデザインをした。格子のドアからシュウカイドウの花の形の窓、「清明上河図」や「十八学士図」などが描かれた掛け絵、さらに、お茶の点て方に至るまで、宋代の雰囲気が至る所に漂っている。
馬さんによると、「宋代の『美』は、芸術作品や建築物だけでなく、ライフスタイルでも表現されている。宋代の文化を愛する人は、お茶を点てたり、花を生けたり、お香をたいたり、絵を飾ったりすることを『四つの風雅』と見なしていた。そのため、茶館において関連の文化イベントを定期的に開催しているほか、伝統衣装レンタルの業務も始め、客がそこで古代の人々の『スローライフ』を没入型で体験できるようにしている」という。
武漢紡織大学の李正旺教授は、「中華の優れた伝統文化はすでに、いろんなスタイルで、中国の若者の視野に入っている。全国民の間で『無形文化遺産』ブームが起きている今、伝統文化をさらに掘り出さなければならない。デジタル化技術を通して、文化観光やテクノロジーなどの産業を融合し、伝統文化を見て、感じることができるようにし、歴史感だけでなく、新鮮味もある魅力を引き出さなければならない」との見方を示している。(編集KN)
「人民網日本語版」2025年2月5日
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