粤港澳大湾区で起業し、夢を追いかける澳門特区の若者たち
澳門(マカオ)特別行政区の果欄街という通りの近くにあるエッグタルト店では午前10時の時点で、すでに長蛇の列ができている。そして、多くの人が焼き色のついたエッグタルトを手に記念写真を撮影している。店の中では、オーナーの郭子華さんが忙しく立ち働いていた。2020年に起業した郭さんは、今やネット上で大人気となっているエッグタルト専門店数軒のオーナーとなっている。人民網が報じた。
厨房でエッグタルトを焼き上げる郭子華さん(撮影・袁蒙)。
ポルトガル発祥のエッグタルトは、澳門で改良が重ねられて、今ではお馴染みの形状と味となった。観光客の好みに合わせて、郭さんは、伝統的なエッグタルトをベースにして、さらに改良を加え、甘さを控えめにして、くどくない甘さに仕上げ、サクサクの皮にとろりとしたクリームの滑らかさを追求している。「エッグタルトは、澳門の人々にとってすでに地元の味となっている。観光客だけでなく、地元の人もよく食べる。だから、エッグタルトは澳門特区の代名詞といっても過言ではない」と郭さん。横琴粤澳深度合作区(横琴島・広東省・澳門特区が踏み込んで協力するエリア)の発展、及び澳門特区の包容力ある環境が、若者に起業のための豊かな土壌を提供している。郭さんは昨年、横琴島に、新しい研究開発センターを設置したほか、深センでも支店を2軒オープンさせた。郭さんは、「国の優遇政策があるおかげで、香港特区や澳門特区で起業する青年は、粤港澳大湾区(広州、仏山、肇慶、深セン、東莞、恵州、珠海、中山、江門の9市と香港、澳門<マカオ>両特別行政区によって構成される都市クラスター)で、自信を持って、市場を開拓できる」と話す。
澳門特区の関前街を歩く容甄甄さん(撮影・袁蒙)。
聖パウロ天主堂跡の近くにある通り「関前街」は以前、澳門特区で最も古く、最も賑やかな場所の一つだったが、今ではアート系のショップやカフェが建ち並び、レトロな雰囲気と、文化・アートの雰囲気がコラボレーションする場所となっている。澳門特区で生まれ育った女性・容甄甄さんは、歌手であり、デザイナーでもある。そして、澳門特区の歴史や文化をPRするほか、社会の役に立つことをするボランティアでもあるという。容さんは関前街を歩きながら、「近年、保護やリニューアル関連の活動にたくさん携わり、自分たちのアイデアや想像を今の澳門特区に取り入れ、旧市街に新たな活力を注入してきた。私は文化クリエイティブグッズのデザインやライブ配信にも携わっている。友人には、『スラッシャー(複数の肩書を持つ人)』とよく言われる。澳門特区の若者はみんな思い切っていろんなことにチャレンジしている」としみじみと語った。
ビール工房でビールの出来具合をチェックする郭芷晴さん(撮影・袁蒙)。
広州出身の女性・郭芷晴さんは、澳門大学の卒業生で、大学生の時から起業を始め、現在は澳門特区唯一のビール工房を立ち上げている。郭さんは、「エッグタルトのフレーバーを取り入れたエールビールや、歩行者天国『官也街』のアイスミルクティーと組み合わせたピルスナー、ハクサビーチをイメージしたラガービールなど澳門特区の文化と関係のあるビールを作り続けている」と話すように、そのクラフトビールのラインナップを見ると、澳門特区の要素にあふれている。郭さんは、「実際には、澳門特区は、起業にとても適した場所。ここの文化は包容力があり、大湾区には起業するよう働きかけるメカニズムと資源がたくさんあり、私たちのような若い起業家にたくさんのサポートを提供してくれている」と話す。郭さんと、そのクラフトビールブランドは積極的に中国大陸部に積極的に進出し、各大都市にも進出しており、「一人でも多くの人に、私達のビールを通して、澳門特区に対する理解を深めてほしい」とした。 (編集KN)
「人民網日本語版」2025年2月21日
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