汚水を資源に変える微細藻類の驚異的な力
中国科学院成都生物研究所合成微生物群・汚水資源化イノベーションチームは近年、汚染物の転換と汚水資源化に関する一連の研究を行っている。研究結果によると、微細藻類を活用した处理により、生活汚水、養殖排水、畜産排水、ザーサイ生産廃水、醸造廃水、黒臭水などは水質が排出基準を満たすだけでなく、飼料や生物肥料に変えることができる。新華網が伝えた。
合成微生物群・汚水資源化イノベーションチームの責任者である譚周亮氏は、「微細藻類とは顕微鏡でのみ観察可能な微小な藻類の集合体だ。我々は汚水に含まれる炭素、窒素、リンなどの元素を栄養源とする微細藻類を選定・育成し、これを利用し汚水中の汚染物を飼料やバイオ肥料に転換することで、汚染物の資源化利用や二酸化炭素排出削減などの目標達成を目指している」と述べた。
中国科学院成都生物研究所の実験室で20日、微細藻類培養状況を観察する合成微生物群・汚水資源化イノベーションチームの科学研究者。 撮影・劉坤
科学研究チームは2016年に重イオンビーム照射によるクロレラの突然変異株が窒素及びリン元素の吸収・同化に優れた特性を持つことを偶然発見した。
科学研究チームはその後の研究において、突然変異藻株のアンモニア・窒素への耐性、生活汚水処理場の現場での小規模・中規模テスト、農村生活汚水処理プロジェクトの実証実験、養殖排水資源化利用など一連の研究を行った。
科学研究チームは22年に複数の研究により、突然変異藻株が養殖排水及び黒臭水の処理で優れた効果を発揮することを発見した。処理後の水質は関連する排出基準を満たし、回収される藻はタンパク質を豊富に含む飼料資源になり、廃水の処理及び資源化利用の新たな道を切り開いたことを証明した。
科学研究チームの24年の実際のテストによると、微細藻類で処理した生活汚水の水質が地表水Ⅲ類基準を満たした。
藻類溶液で培養した野菜の根(右)の成長状況は、きれいな水よりも優れている(20日撮影)。 撮影・劉坤
科学研究チームは24年に生活汚水現場小規模テストで微細藻類による高度処理を行った後、回収した藻体で肥料を作り、その効果を調べる実験を行った。その結果、藻の肥料を使うことで化学肥料の使用量を効果的に削減でき、さらに作物の収量と品質を大幅に高められることが分かった。
譚氏は、「将来的に技術の持続的な最適化と普及により、微細藻類汚水処理技術はより多くの分野で重要な役割を果たすようになるだろう。汚水の高炭素処理技術の低炭素生産技術へのトランスフォーメーションを後押しし、エコ文明の建設と持続可能な開発目標の実現をサポートすることになる」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2025年3月25日
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