ホテルのように快適! 高齢者に優しい観光列車
「大河之南」号の2人用個室。(撮影・崔軒豪。写真提供は人民視覚)
「大河之南」号の娯楽室。(撮影・崔軒豪。写真提供は人民視覚)
高齢者向け観光列車「大河之南」号の車両が3月28日、ラインオフした。この列車は中国鉄路鄭州局集団が運営する観光列車で、既存の普通列車をベースに車両を大幅にカスタマイズし、快適で高齢者に優しい車両を目指してさまざまな改良が加えられた。人民日報が伝えた。
今年、商務部(省)をはじめとする9当局が「シルバー観光列車の拡充によるサービス消費発展促進行動計画」を発表すると、各地でシルバー観光列車の増便が相次いだ。
では、観光列車、シルバー観光列車、高齢者に優しい観光列車にはどのような違いがあるのだろうか。説明によれば、観光列車は特別列車のことで、一般的に普通タイプ、快適タイプ、デラックスタイプに分かれる。シルバー観光列車とは、主に高齢の旅客向けに開発された特別列車を指す。高齢者に優しい観光列車とは、ハードウェアの設備・施設に関して車体に高齢者向けの改良が施された観光列車を指す。
「大河之南」号は元々あった車両設備に再設計が施され、ホテルタイプの客室への改造が行われた。1つの車両に6つの個室があり、2人用、3人用、4人用の3タイプから選べる。同局の関係責任者は、「各個室に専用のシャワー・トイレがあり、シャワーとトイレは別々で、暖房便座と非常用ボタンも設置されている」と説明した。
4月中旬から運行を開始する予定の「大河之南」号には、どのような目新しいサービスがあるのだろうか。
同列車の多目的車両には、定員8人のティールーム、ゲーム室、娯楽室があり、カラオケや囲碁・将棋などのサービスを利用できる。
高齢者に優しい観光列車は、ルート設定、食事メニュー設定、イベント設定という点で、高齢の観光客の旅のニーズに十分に応えている。この列車は全体的にゆったりしたペースで運行される。観光ルートの設定では、1つの観光スポットでの滞在時間を長めにし、観光客がゆったりと景色を楽しみ、十分な休息を取れるようにして、旅の疲れを軽減する。将来的に、「大河之南」号は市場ニーズに合わせて特色ある路線を開発する計画だ。どの路線も複数の観光スポットをつなぎ、観光スポットの最寄り駅に停車して乗客が観光に出かけている間待機し、「人に合わせて列車が運行する」柔軟な運営が実現する見込みだ。
また、高齢者に優しい観光列車では、健康的な食事をとりわけ重視している。高齢者の口に合う、あっさりとした、油と塩分が控えめで、噛みやすいメニューを開発し、食事の量を少なくして食事を提供する回数を増やす。
健康・安全面については、鉄道当局は「シルバー観光列車の多くに医療スタッフが同乗し、血圧測定や傷の処置といった基本的な医療サービスを提供する。また、運行に先立って、高齢の観光客の急病に対処するための緊急対応プランを策定する。病状が深刻な場合は、次の到着駅と連携して救急車が駅で待機するよう手配し、必要であれば緊急停止や近くの病院への搬送も行う」としている。
では、シルバー観光列車に乗ってどこへ出かけられるのだろうか。運行状況を見ると、シルバー観光列車の観光路線は豊富かつ多彩で、広西壮(チワン)族自治区の桂林、湖南省の張家界、安徽省の黄山で山水の美しさを堪能することもできれば、陝西省の西安、河南省の洛陽、山西省の大同で悠久の歴史や文化に浸ることもでき、さらには草原の旅、広大で美しい新疆維吾爾(ウイグル)自治区の旅といった特色を備えた路線もある。それだけでなく、シルバー観光列車の乗客は複合一貫輸送方式により海外へ出かけることもできる。たとえば観光列車「熊猫(パンダ)」号は「特別列車+クルーズ船モデル」を採用しており、四川省成都から出発して山東省煙台に到着した後、クルーズ船に乗り換えて韓国の仁川やソウルなどを訪れることができる。
中国国家鉄路集団は2027年までに、鉄道シルバー観光スペシャル路線を100本以上計画して打ち出し、高齢者向けに改良されたより快適なシルバー観光列車160編成を用意し、シルバー観光列車の運行規模を2500本以上にする予定だ。(編集KS)
「人民網日本語版」2025年4月1日
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