漢字を世界に発信する新たなルート探る「中日韓共用漢字フォーラム」開催

人民網日本語版 2025年04月21日15:38

河南省安陽市で20日午後、中日韓共用漢字フォーラムが開催された。中日韓及び東南アジア諸国連合(アセアン)の漢字専門家、学者、書家が一堂に会し、漢字を世界に発信する新たなルートについて意見を交換した。中国新聞社が報じた。

河南省安陽市の中日韓共用漢字フォーラムで揮毫した日本の書家(4月20日撮影・王宇)。

河南省安陽市の中日韓共用漢字フォーラムで揮毫した日本の書家(4月20日撮影・王宇)。

今回のフォーラムは、中日韓で共通して使われている常用漢字808字をまとめた「中日韓共同常用八百漢字表」の発表から11周年を迎えたのを記念して開催された。中日韓三国協力事務局(TCS)の李熙燮事務局長は開会式の挨拶で、「漢字は、3ヶ国共通の文化の基礎で、歴史的価値を担っているほか、実際の協力の架け橋ともなっている」とし、「漢字を架け橋として、文明の相互参考を促進し、地域の文化的協力に新たな活力を注入しよう」と呼び掛けた。

中国文字博物館の魏文萃副館長は、「漢字の伝播の規模は拡大し続けているが、グローバル化伝播は依然として、学習の難度が高い、認知の差が大きいといった課題に直面している。技術革新や文化融合、教育スタイルのアップデートを通して、漢字の世界的影響力をさらに拡大させて、異文化を理解する重要な架け橋にしなければならない」との見方を示した。

日本漢検漢字博物館・図書館(漢字ミュージアム)の阿辻哲次館長は、日本の小学校の漢字学習アニメや漢字ドリルを例にして、デジタル・メディア融合技術を活用して、漢字を抽象的なイメージに変換し、青少年の漢字に対する興味を高めることができると強調した。

韓国漢字研究所の河永三所長は、「東南アジア文化の源である甲骨文字の現代的価値をさらに掘り起こして、活用しなければならない」とし、「人工知能(AI)技術をフル活用して、中国で昔、子供に漢字を教えたり、書の手本として使うために用いられた中国の古典『千字文』をデジタル化して伝播し、この文化の宝が輝きを増すよう促進しなければならない」との見方を示した。

ベトナム社会科学翰林院漢喃研究院の阮俊強院長は、「デジタル・メディア融合技術が今、漢字のコンテンツ形式を充実させている」とし、「今後、没入型の漢字文化体験空間をたくさん打ち出し、インタラクティブ型のシーンを通して、伝播をさらにリアリティにしなければならない」との見方を示した。(編集KN)

「人民網日本語版」2025年4月21日

注目フォトニュース

関連記事