ロボットの「新たな職業」を生み出している粤港澳大湾区
粤港澳大湾区(広州、仏山、肇慶、深セン、東莞、恵州、珠海、中山、江門の9市と香港、澳門<マカオ>両特別行政区によって構成される都市クラスター)の深セン市にある新エネルギー車生産ラインでは人型ロボットがねじを締める作業を始めていた。またその生産ラインから数十キロメートル離れた香港特区の香港中文大学の実験室では、科学研究者が「介護ロボット」のより多くの技能を開発していた。中国新聞網が伝えた。
粤港澳大湾区には現在、7万7000社以上の国家レベルハイテク企業が存在し、世界的な科学技術イノベーションの拠点構築が加速している。同区はまた、人工知能(AI)産業に唯一無二の発展の豊かな土壌を提供しており、さまざまなロボットにエンパワーメントし、新たな職業を生み出している。
来訪者と交流する深セン優必選科技股份有限公司が研究開発した人型ロボット(4月23日撮影・朱賀)。
深センの新エネルギー車工場には最近、身長172センチ、体重76キロの「新入り」がやってきた。これは深セン優必選科技股份有限公司(優必選)の「Walker S」シリーズ産業用ロボットだ。同社チーフブランドオフィサー(CBO)の譚旻氏は、「これらのロボットは思考し、交流することができる。スーパー大脳とスマート小脳により、ロボットは人間のような認知能力を備え、協同作業や技能の迅速な習得が可能だ。当社は今年3月に単体AIから集団AIへの技術的ブレイクスルーを達成し、次の四半期に大規模な納品を予定している。人型ロボットは今後3−5年でさまざまな業界に浸透していくだろう」とした。
香港中文大学機械・自動化工程学部の陳翡副学部長の実験室は優必選と5年間協力し、人型ロボットの家庭内での応用に注目している。香港特区は「シルバー経済」の展開を加速させており、「介護ロボット」が活躍する場も広がっている。
ロボットの研究に20年以上従事している陳氏は、「内陸部のロボット産業が近年急速に発展し、大湾区では『爆発的な成長』を見せている。香港の科学研究機関は重要技術の研究により専念している。深センそして大湾区のその他の都市はロボット産業のインフラが強固で、両者の協同は、さらに大きな相乗効果をもたらすだろう」とした。
華力創科学が独自に研究開発したセンサー(4月24日撮影・何俊傑)。
華力創科学の共同創業者である魚晨氏は香港サイエンスパーク深センサブパークで、「これは現在世界最小の6次元力センサーで、ロボットに人間のような触覚を持たせることができる」と同社が独自に研究開発したセンサーを見せた。このセンサーはボタンよりも小さく見えるが、ロボットに、人間の腕に近い精密な力の制御をさせることが可能だ。同社は香港市場への事業展開を計画中で、3−5年後には現地の医師による診療を支援できるようになるとみられている。
陳氏は、「高い製造力と完全な川上・川下産業チェーンにより、大湾区のロボット産業は初期の『ハードウェア不足』の段階を迅速に乗り越えた。今後は操作や認知を中心とした大量の技術開発に取り組み、より多くのロボットの新たな職業を生み出し、一般市民の生活に浸透させていきたい」とした。(編集YF)
「人民網日本語版」2025年4月25日
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