中国のディスプレイ産業の運命を変えた小さな「ガラス片」
人民網日本語版 2025年04月29日10:44
29年前、清華大学の実験室で、若者数人が、光を放つガラス片をじっと見つめていた。それは中国初の有機ELディスプレイ「OLED」の開発に向けた実験だった。その当時、ディスプレイ産業は海外の独占状態だった。
有機EL製品の製造メーカー・維信諾(Visionox)の張徳強・董事長兼総裁は、「次世代ディスプレイ技術の主導権を、中国が握ることができない理由が何かあるだろうか?私たちのような知識人は、大胆な考えを持ち、中国国産OLEDが実験室を出て、産業化される独自のイノベーションの道を歩むことを志さなければならない」との見方を示した。
フレキシブルディスプレイが実験室から、胸を張って市場に出るまでに、険しい道をどれほど通らなければならないのだろうか?
人間の髪の毛ほどの薄さであるものの、11層の精密膜層からなるフレキシブルディスプレイの各層は、高精度、かつ非常にクリーンで、水と酸素が侵入しない環境で、20日以上かけて、1000以上の工程を経て、苦労を重ねて製造される。
イノベーションというのは、全速力で走る100メートル走ではなく、ゴールのないマラソンのようだと言える。維信諾は20年以上かけて、実験室の小さな「ガラス片」を、中国製のディスプレイとして、世界へと羽ばたかせるまでに成長させた。
張総裁は、「現在、一流スマホブランド数社の折りたたみスマホに、当社が生産したフレキシブルディスプレイが使われている。2024年、当社のスマホに使われるAMOLEDの出荷数は世界で3番目に多かった。ウェアラブルデバイスに使われるAMOLEDディスプレイの出荷数は世界で一番多かった」とした。(編集KN)
「人民網日本語版」2025年4月28日
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