中国で「野菜を飲む」若者が増加 ヘルシーなドリンクがブームに

人民網日本語版 2025年05月26日14:38

ミルクティーショップのドリンクメニューにケールやゴーヤ、アボカドといった野菜を使ったドリンクが加わり、調理場では、こうした野菜をカットする音が響くなど、今年の夏のティードリンク市場は「緑色」に染まっている。そして中国の若者は、野菜系のドリンクを飲んで、暑い夏を乗り切ろうとしている。中国新聞網が伝えた。

あるティードリンクショップのケールを使ったドリンクを紹介する看板(5月20日撮影・趙丹媚)。

あるティードリンクショップのケールを使ったドリンクを紹介する看板(5月20日撮影・趙丹媚)。

チアシードに、ケールやリンゴ、マスカット、レモンを組み合わせたドリンクを飲むと、「ケールフィットネスビューティードリンク」を初めて飲んだ時のことを思い出すと話す劉鶴然さん(22)は、「ゲテモノ料理のようで、ドリンクというよりも野菜・フルーツサラダのようだと思った」と話す。

こうしたドリンクのカロリーが、ナシ1個よりも少ないことを知った劉さんは「それならいけると思った。飲んでみると、とても爽やかな味で、リンゴの味が強い。ケールも入っているので、とてもヘルシー。食事代わりに、何回もリピート購入している」という。

「野菜を飲む」のがブームになったのは、昨年のパリ五輪開催期間中で、ミルクティーショップ・喜茶(HEYTEA)と、スポーツブランド「安踏(ANTA)」のコラボ商品である「チャンピオンフィットネスビューティードリンク」が火付け役となった。同ドリンクは発売初月に、350万本売れた。五輪が終わると、「喜茶」は、それを「ケールフィットネスビューティードリンク」という名前に変えて、ゴーヤ入りの「体の熱やのぼせを取り除くフィットネスビューティードリンク」、ハスの葉入りの「油分を取り除くフィットネスビューティードリンク」といった、スーパーフードと組み合わせたドリンクを立て続けに打ち出した。また、茶百道(Cha Panda)や楽楽茶(LALACHA)といった他のティードリンクブランドも、ヘルシーをコンセプトにした特色あるドリンクを続々と打ち出している。

「ミルクティーの大ファン」という周暁芸さんは、「以前は、みんな、色々なトッピング入りの食感豊かな『ミルクティー』を好んでいたが、今はすっきり爽やか系のドリンクを好むようになっている。ミルクティーを飲む時に一番気になるのは、糖分やカロリーが高いことだが、今は、ティードリンクブランドが『無糖純茶』や、『無調整牛乳』などを選ぶことができるようにしてくれているほか、ヘルシーな野菜やフルーツのドリンク、中医薬ヘルスケアミルクティーなども打ち出している。そうすることで、ドリンクブランドは、『ミルクティーはカロリーが高い』というレッテルを剥がそうとしているみたいだ」と話す

調査会社・艾媒諮詢(iiMedia Research)が発表した「2024-25年新中国スタイルティードリンク業界の発展の現状と消費動向調査分析報告」によると、新スタイルのティードリンク購入者が「今後、その購入意欲を下げる可能性がある」主な理由として挙げた要因は、「体に悪いと感じる(42.9%)」、「太りたくない(34.7%)」だった。そのため、多くのティードリンクブランドがヘルシーやヘルスケアなどに舵を切り、2024年の年次報告書では、グリーン・ヘルシーというコンセプトを堅持し、ティードリンクのヘルシー化を続けることを強調している。

スーパーフードの野菜やフルーツを使ったティードリンクを販売するドリンクショップ(5月20日撮影・趙丹媚)。

スーパーフードの野菜やフルーツを使ったティードリンクを販売するドリンクショップ(5月20日撮影・趙丹媚)。

この点について河北省の中国人民解放軍白求恩国際和平病院・健康医学科の劉艶主任は、「栄養学の観点から見ると、ケールは低カロリーで、食物繊維が豊富であるため、ある程度ダイエットの助けになる。ただ、その味は苦く、口当たりをよくするために、ティードリンクショップがカロリーの高い材料や砂糖を加えると、ケール系のドリンクでもダイエット効果は期待できない」と指摘する。

そして、「若者が『野菜を飲む』風潮の背後では、健康的なダイエットに対する認識が高まっている。それは、国家衛生健康委員会が提起している健康的なダイエットの主な内容とも一致している。しかし、人の体というのは複雑で、ダイエットというのは、一朝一夕に成し遂げることができるものではない。専門家の総合的な評価や指導を受けながら、自分に合ったダイエットの方法を見つけたほうがいい」との見方を示している。 (編集KN)

「人民網日本語版」2025年5月26日

注目フォトニュース

関連記事