「一日で変色」から「四季いつでも新鮮」へ ライチの現代的な鮮度保持技術に迫る
鮮度保持が最も難しい果物の一つとされるライチには、「1日で色が変わり、2日で香りが変わり、3日で味が変わる」という言い伝えがある。国家ライチ・リュウガン産業技術体系の専門家で、華南農業大学園芸学院の呉振先副院長は、「ライチの鮮度保持が難しいことには主に3つの理由がある。まず、表面が凸凹していて、構造が粗く、水分が非常に失われやすく、水分が失われると褐色に変色し、黒くなる。次に、ライチは代謝速度が非常に速く、収穫後に糖分が急速に分解され、風味もそれに応じて変化する。さらに、高温多湿な南方地域の成長環境により病虫害のリスクが高まり、腐敗・劣化しやすい」と説明した。新華社が伝えた。
18日、広東省茂名市高州市の冷蔵倉庫でライチの梱包を行う果物農家。(撮影・肖恩楠)
呉氏によると、ライチを長期間にわたり新鮮に保つには、収穫前から消費者の手に届くまで、見えないところで数多くの努力が必要だという。
・収穫前には科学的な施肥・水分管理および病虫害対策を通じて果実の品質を高める。
・収穫のタイミングも極めて重要だ。大半の品種は成熟度が85−90%の時に収穫する。この時が風味が最も優れ、貯蔵性が最も良い。さらに高温による代謝促進を回避するため、午前11時までに収穫を終える必要がある。
・収穫後3時間以内に予冷処理を施し、専用の鮮度保持専用パッケージを使い、代謝や微生物の活動を効果的に抑制する。
・貯蔵・輸送時に3−5℃の恒温環境を保ち、最後にさらに24時間以上の棚持ち期間を確保する必要がある。
広東省茂名市高州市で18日に撮影されたライチ予冷庫。(撮影・肖恩楠)
このような体系的な鮮度保持技術により、「妃子笑」や「黒葉」など一部の貯蔵性に優れたライチ品種の鮮度保持期間は30日から40日間に延長可能となっている。この夏の味覚を四季いつでも楽しめるようにするために 、冷凍休眠技術がさらなる可能性を切り開いている。
華南農業大学の広東省機能食品活性物重点実験室で、超低温冷凍休眠鮮度保持技術を用いたライチに真空包装を組み合わせることで、鮮度保持期間は最長18カ月となっている。
華南農業大学食品学院の教授で、広東省機能食品活性物重点実験室の曹庸室長は、「液体窒素による-196℃の超低温でライチを急速冷凍し、ライチ自体の生化学反応を抑制するのがライチの冷凍休眠だ。超低温急速冷凍によりライチの結晶化帯を素早く通過させることで、ライチの細胞壁を破壊することなく、解凍後も果肉の風味を保つことができる。これにより、生鮮果実レベルの品質を長距離、季節を問わずに供給することが可能になる」と説明した。(編集YF)
これは解凍された広州鮮匯冷凍技術有限公司が加工した「冷凍休眠」ライチ。
「人民網日本語版」2025年6月27日
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