中国伝統文化の要素を取り入れた卒業写真が人気に‌

人民網日本語版 2025年07月03日15:12
中国伝統文化の要素を取り入れた卒業写真が人気に‌

中国は今、卒業式シーズンを迎えており、大学生の卒業写真には、中国の伝統文化を取り入れた「国風」の衣装などが目立っている。以前は、フォーマルなアカデミックドレスばかりだったものの、今では多くの卒業生が、中国の伝統要素を卒業式に着る衣装に取り入れている。人民日報海外版が伝えた。

広東省深セン市で卒業式に出席した李芸文さんは、新中国スタイルのチャイナドレスを着用。彼女は、「素敵な思い出になるし、自分の個性を表現することもできる。『国風』の衣装で卒業式に出席するというのが、もっと一般的になることを願っている」とした。ECプラットフォームのデータによると、卒業シーズンに入り、中国の伝統的な襟飾り「雲肩」や、プリーツスカートタイプの中国伝統衣装「馬面裙」、チャイナドレスなどの検索回数が目に見えて増えている。また、その波に乗った写真館も、髪の花飾り「簪花」や「雲肩」を使った「国風」の卒業写真など、オーダーメイド型のセットサービスを打ち出している。

四川省成都市で卒業式に出席した江静雯さんは、「馬面裙」を履いて、キャンパスで写真を撮影し、「世界に1枚だけの記念写真」にしたという。また、卒業式関連のアイテムを手作りしている卒業生もいる。例えば、吉林省の于鴻洋さんは、派手な色合いで牡丹の花などがプリントされている花柄「東北大花」の要素を取り入れた角帽を手作りし、生まれ故郷を誇りに思う気持ちを表現したほか、「地域の特色を取り入れた多様な卒業式の服やアイテムがもっと増えることを願っている」とした。

北京服装学院の鄒游副学長は、「1994年、中国はアカデミックドレスの規範体系を確立した。卒業生が今、中国伝統の要素をアカデミックドレスに取り入れているのは、伝統文化のイノベイティブな活用で、文化に対する自信の表れだ。今後、アカデミックドレスのデザインは、厳粛と個性の間でバランスを取っていかなければならないだろう。北京師範大学など、一部の高等教育機関は、卒業式では、定められた身なりをし、式が終わった後は、卒業生が自由に何かを付け足したりしてもいいと指導している」とする。

多くの取材対象者が、「社会が美的教育や文化的奥深さをより重視するようになるにつれて、卒業式の服装は、フォーマルから消費のバロメーターへと変化している。今後は、規範とイノベーションの間でバランスを取るというのが、卒業シーズンの消費の新たな見どころとなるだろう」との見方を示した。(編集KN)

「人民網日本語版」2025年7月3日

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