初めての中国~決済編~ 第8回 まとめ

人民網日本語版 2025年07月10日11:10

初めて中国に行こうと思っているわかばちゃんには、わからないことがいっぱい。わかばちゃんの「どうしたらいいの?」という質問に、ぶらり北京でおなじみのA姐とG姐が答えます。中国のことならお任せのパン爺も時々ご意見番として動画に登場。中国初心者の質問に答える「初めての中国」。この決済編では、これまで7回にわたって決済に関する内容を紹介してきました。8回目の今回は、これまで紹介してきた内容のまとめ編となります。

***

「中国では支払いはスマホ決済だけで、現金は使えないの?」

「スマホ決済できるようにするにはどうしたらいいの?」

中国を初めて訪れる前に多くの人が気になるのは、決済に関する点ではないだろうか。支付宝(Alipay)や微信支付(WeChatPay)などのスマホ決済ツールが爆発的に普及した結果、支払いは基本スマホ決済となり、現金を持たずに生活する人も多い。

QRコードを読み取ってスマホ決済をする様子(撮影・玄番登史江)

QRコードを読み取ってスマホ決済をする様子(撮影・玄番登史江)

■現金は使えるの?

結論から言うと、中国では確かにスマホ決済がほとんどだが、現金は使える。また、決済システムや通信ネットワークの不具合などにより、スマホ決済がうまくいかず、現金でしか払えないケースもあるので、現金もある程度用意しておくのが安心だ。

両替をする際には、街中の銀行ATMは外貨両替に対応していないことがほとんどなので、空港の外貨両替所やATM、銀行の外貨両替窓口、または北京地下鉄8号線「王府井駅」にあるような外貨両替スポットなどで、一定額を人民元に換金しておくのがオススメ。

実際に現金で支払う際には、店舗によってはお釣りの用意がないこともあるので、高額紙幣は早めに崩し、なるべく小銭を用意しておくようにするといいだろう。

中国で流通している通貨は人民元で、紙幣と硬貨の種類は以下の通り。

【中国のお金の種類】

紙幣
100元、50元、20元、10元、5元、1元、5角、1角など
硬貨
1元、5角、1角など

角は0.1元。ちなみに、話し言葉では「元(yuán)」を「块(kuài)」、「角(jiǎo)」を「毛(máo)」と呼ぶ地域も多い。

現在中国で通用しているお金(撮影・玄番登史江)

現在中国で通用しているお金(撮影・玄番登史江)

■スマホ決済をするには?

➊決済アプリをインストールする

スマホ決済をするには、スマホ決済ができるアプリをインストールすることが必要だ。現在中国で一般的に使われている決済アプリは、「支付宝(Alipay)」と「微信支付(WeChatPay)」の二つ。必ず中国に出発する前に、どちらか一つ、もしくは両方をGoogle Playや App Storeなどで事前にインストールしておこう。

中国の二大決済アプリ

決済アプリ
説明
支付宝(Alipay)
オンラインショッピングサービス大手のアリババグループが提供するキャッシュレス決済サービス
微信支付(WeChatPay)
大手IT企業のテンセントが提供するキャッシュレス決済サービス。チャットアプリ「微信(WeChat)」に付帯する支払い機能

□チェック!

アプリの登録に必要なSMS認証をする際、中国に到着してしまってからだと、SMSをうまく受け取れず認証できなかったケースもある。必ず日本にいる間に登録を済ませておこう!

➋スマホ決済アプリに登録してクレジットカードを紐付ける

支付宝(Alipay)も微信支付(WeChatPay)も、クレジットカードを紐付けできるようになっている。各アプリに登録できるクレジットカードは以下の通り。

決済アプリ
紐付けできるクレジットカード
支付宝(Alipay)

Visa、Mastercard、JCB、Diners Club、Discover

微信支付(WeChatPay)
Visa、Mastercard、JCB、American Express、Diners Club、Discover

ちなみに、クレジットカードは銀行カードではないが、上記2種類のスマホ決済アプリ登録上のカテゴリーとしては「銀行カード」に入る。また、クレジットカードは複数枚紐付けすることが可能だ。

では、各アプリの登録方法を見ていこう。

■支付宝(Alipay)の登録方法

手順
操作
1
Alipayアプリをインストール
2
国番号(81)+携帯電話番号を登録(電話番号先頭の「0」は入力不要)
3
SMS認証(登録した電話番号に届いた数字を入力)
4

実名登録(トップページ画面右下「マイページ」→右上歯車アイコン「アカウントとセキュリティ」→「個人

情報」から登録)

・パスポートの情報を入力

・パスポートの顔写真ページの写真をアップロード

5
クレジットカードの情報を登録

※文中で挙げているアプリ内の各メニュー名称はバージョンなどによって異なる場合がある。

□チェック!

中国に到着した後、最初に支付宝(Alipay)を利用する際には、アクティベートをして支払い機能を有効にする必要がある。画面の指示に従い、「Active now」をタップしてパスワードを入力すればアクティベートが完了する。

■微信支付(WeChatPay)の登録方法

手順
操作
1
WeChatアプリをインストール
2
国番号(81)+携帯電話番号を登録(電話番号先頭の「0」は入力不要)
3
SMS認証(登録した電話番号に届いた数字を入力)
4

実名登録(画面右下「自分」→「支払いとサービス」→「ウォレット」から登録)

・パスポートの情報を入力

・パスポートの顔写真ページの写真をアップロード

5
クレジットカードの情報を登録

※文中で挙げているアプリ内の各メニュー名称、実名登録のタイミングや手順などは、バージョンや環境などによって異なる場合がある。

※クレジットカードでの決済を実際に行うには、右上の「+」→「マネー」からWeChatPayを有効化する必要がある。

□チェック!

スマホ決済アプリと紐付けしたクレジットカードの種類によっては、支付宝(Alipay)、微信支付(WeChatPay)で少額決済を繰り返すと、不正利用を疑われてクレジットカードの利用が止まり、支払いエラーになるケースも見受けられる。そのような状況を避けるために、渡航前にクレジットカード会社に連絡し、セキュリティレベルの調整をしておくといいだろう。

セキュリティレベルは「設定する(不正利用監視をする)」か「設定しない(不正利用監視をしない)」のどちらかを選ぶようになっているので、後者を選び、自分で常に不正利用をされていないか気を付けておこう。

なお、支付宝(Alipay)、微信支付(WeChatPay)ともに、外国人の使用は中国大陸部に限られており、それ以外の国・地域では使用することができない。

■どちらが読み取る?

実際にスマホ決済をする際に直面するのが、店側とユーザー側のどちらがQRコードを読み取るかという問題だ。

スマホ決済をする場合には、店側が読み取るスタイルとユーザー側が読み取るスタイルがある。どちらのスタイルかは、レジの近くにリーダー(読み取り装置)が設置されているか、店内に決済用のQRコードが提示されているかを見て判断するか、お店の人の動きなどで判断しよう。判断がつかない場合は口頭で確認しよう。

店側が読み取る場合は、レジの近くにリーダーが設置されているか、お店の人がリーダーを手に取って読み取りをする動きをするので、それによって判断できる。また、口頭で「我扫你」(Wǒ sǎo nǐ)とあらかじめ言ってくれることもある。

ユーザー側が読み取る場合は、店内に決済用のQRコードがあらかじめ提示されているケースが多い。また、会計の際にQRコードのパウチシートを提示される場合や、レシートにQRコードが印刷されている場合もある。

口頭で確認する場合は、下のように聞いてみよう。

「你扫我,还是我扫你?」(Nǐ sǎo wǒ,hái shì wǒ sǎo nǐ)

(どちらが読み取りますか?)

答えが「我扫你」(Wǒ sǎo nǐ)なら店側が読み取るスタイル、「你扫我」(Nǐ sǎo wǒ)ならユーザー側が読み取るスタイルだ。

 回答 
    読み取る側   
「我扫你」(Wǒ sǎo nǐ)  
店側 
「你扫我」(Nǐ sǎo wǒ)  
ユーザー側

➊店側がQRコードを読み取る場合

店側がQRコードを読み取る場合は、使いたいスマホ決済アプリで自分のQRコードを表示し、置いてあるリーダーにスマホをかざすか、店側にリーダーで読み取ってもらえば決済が完了する。

お店のレジの近くなどに設置されている様々なタイプのリーダー(撮影・勝又あや子)

お店のレジの近くなどに設置されている様々なタイプのリーダー(撮影・勝又あや子)

お店のスタッフにリーダーで読み取ってもらうパターン(撮影・勝又あや子)

お店のスタッフにリーダーで読み取ってもらうパターン(撮影・勝又あや子)

【実際の支払操作】

 アプリ   
    操作  
支付宝(Alipay)
「Pay/Collect」(支払い・入金)で 自分のQRコードを表示
微信支付(WeChatPay) 

「自分」→「支払いとサービス」→「マネー」

 または

 アプリ右上の「+」の「マネー」で

 自分のQRコードを表示

※文中で挙げているアプリ内の各メニュー名称はバージョンなどによって異なる場合がある。

➋ユーザー側がQRコードを読み取る場合

ユーザー側がQRコードを読み取る場合は、自分が使いたいスマホ決済アプリを起動させてスキャン機能を立ち上げ、店にあるスマホ決済アプリ別のQRコードを読み取り、金額を入力して決済ボタンをタップする。

□チェック!

ユーザー側が読み取るQRコードの種類は?

ユーザー側が読み取る場合、使いたいスマホ決済アプリに対応したQRコードを読み取る必要がある。支付宝(Alipay)、微信支付(WeChatPay)それぞれのQRコードと、この2つも含めたスマホ決済の共用QRコードがある。

支付宝(Alipay)用と信支付(WeChatPay)用のQRコード(撮影・勝又あや子)

支付宝(Alipay)用と微信支付(WeChatPay)用のQRコード(撮影・勝又あや子)

両方OKの共用QRコード(撮影・勝又あや子)

両方OKの共用QRコード(撮影・勝又あや子)

【実際の支払操作】

アプリ
操作
支付宝(Alipay)

① アプリを起動する

② 「Scan」(スキャン)でQRコードを読み取る

③ 支払う金額を入力

④ 「決済」ボタンをタップ

⑤ パスワードの入力かフェイスIDの確認をして決済完了!

微信支付(WeChatPay)

① アプリを起動する

② アプリ右上の「+」の「スキャン」でQRコードを読み取る

③ 支払う金額を入力

④ 「決済」ボタンをタップ

⑤ パスワードの入力かフェイスIDの確認をして決済完了!

※フェイスIDは別途登録が必要。

※文中で挙げているアプリ内の各メニュー名称はバージョンなどによって異なる場合がある。

<スマホ決済のポイント>

□中国ではスマホ決済がメイン、でも現金の用意も忘れずに!

□スマホ決済の第一歩は決済アプリのインストールから

□スマホ決済アプリにクレジットカードを紐付ければスマホ決済が可能

□支払い時は、QRコードを店側が読み取るかユーザー側が読み取るかで操作が違う

*以上は2025年7月10日時点の情報です。

初めての中国

初めて中国に行こうと思っているわかばちゃんの「どうしたらいいの?」という質問に、ぶらり北京でおなじみのA姐とG姐、そして中国のことならお任せのご意見番・パン爺が回答していきます。

「人民網日本語版」2024年7月10日

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