中国でセミの幼虫が人気に 素揚げが酒のつまみにピッタリ?

人民網日本語版 2025年07月14日11:00

近年、中国では食用のセミの幼虫の人気が高まり続けている。山東省青島市に住む男性・李さんによると、水産市場と農産物マーケットでは、セミの幼虫が500グラム当たり100元(1元は約20.5円、約2050円)で販売されているという。さらに、ここ数日は、180元(約3690円)まで高騰し、1匹単位で販売する事業者も登場。価格は1匹2元という。今やセミの幼虫は「高級食材」となっているものの、飛ぶように売れている。

写真提供・国是直通車

写真提供・国是直通車

セミの幼虫を含めた昆虫は本当に食べても大丈夫なのだろうか?実際のところ、世界の権威ある機関は、以前から肯定的な見方を示してきた。

例えば、2013年にはすでに国際連合食糧農業機関(FAO)が「食品及び飼料における昆虫類の役割に注目した報告書」を発表し、昆虫を普段の食事に取り入れることを推奨していた。欧州委員会も2017年と2021年に、水産養殖、家禽、及び豚の飼料に、昆虫由来の動物性たん白質を使用することを認可する規則を可決した。

では、セミの幼虫はおいしいのだろうか?セミの幼虫を食べたことがあるという人によると、油で揚げたてのセミの幼虫は、香ばしい香りがし、口に入れると、外側はサクッとしていて、軽く噛むと、中はやわらかくも、弾力のある食感で、お酒のつまみにぴったりなのだという。

パン屋で販売されているセミの幼虫を挟んだパン(撮影・陳昊星)。

パン屋で販売されているセミの幼虫を挟んだパン(撮影・陳昊星)。

山東省などの地域の肉の串刺しや魚介類を食べることができるレストランなどでは、セミの幼虫が、ほとんどの食通が注文する人気メニューとなっている。また斬新なセミの幼虫の食べ方もどんどん登場しており、セミの幼虫を使ったケーキやパンといったオリジナル商品を販売するパン屋も登場。チャレンジする若者も少なくないという。

華南農業大学植物保護学院・昆虫学学科の陸永躍教授は、「セミの幼虫の素揚げは、良質のタンパク質が豊富で、脂肪の少ない昆虫食。栄養価値が高い。含まれている希少タンパク質とキチンは、一定の栄養補給効果がある。栄養の点でのメリットが人気の主な原因の一つ」と説明する。

また、「夕方にセミの幼虫を探すというのが、夏の風物詩となっている。市民のナイトライフが充実するほか、家族と近所の人と会話する機会にもなる。社会実践と自然体験という側面もあるというのが、セミの幼虫が人気になっている別の理由となっている」と分析する。(編集KN)

「人民網日本語版」2025年7月14日

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