【音声ニュース】宇宙で焼き立てのステーキが現実に!

人民網日本語版 2025年11月13日10:52

中国の宇宙ステーションで、宇宙飛行士がオーブンで調理した肉料理を味わう様子が先ごろ公開され、世界各国のネットユーザーの間で大きな話題となっている。ネットユーザーたちは、香ばしく焼けたグリルドチキンウィングとアツアツのペッパーステーキを「最高級レストランで味わう宇宙級バーベキュー」と呼んでいる。そしてこのバーベキューには、人類が広大な宇宙に足を踏み入れるために必要なハイテクが駆使されている。

これまでの宇宙飛行ミッションでは、流動食やフリーズドライ食品が使われていたものの、味が優れず、栄養価面でもあまり優れていないことが課題だった。今回、宇宙でオーブンを使った肉料理の調理に成功したことで、宇宙食は「加熱」から「調理」への歴史的飛躍を遂げた。人類が宇宙で本当の意味で調理をして食事をするのはこれが初めてのことだ。

宇宙ステーションは、内部で空気を循環させる閉鎖生態系生命維持システムが採用されているため、わずかな煙でも大事故の原因になる。また、微小重力の宇宙環境においては、肉を焼くことで温められた空気が自然に上昇することはなく、熱伝導率も極めて低くなってしまう。

中国が独自に研究開発した熱風を内部で循環させる新型オーブンは、この2つの難題を解決した。その秘密はオーブン内部に搭載されているファンにある。焼く過程で発生する煙は、ファンによって精密な浄化装置へと吸い込まれ、宇宙ステーション内に漏れることは全くない。また、無重力下で肉や肉汁が散らばることがないよう、オーブンの内部には、特製のラックや肉汁やかすなどを収集する装置が搭載されている。この新型オーブンは、熱の強制循環、空気浄化、ごみ管理が一体となったマイクロ型宇宙調理室と言うことができる。

「人民網日本語版」2025年11月13日

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