世界86ヶ国が中国語を国民教育体系に組み入れたのはなぜか?

福建省福州市平潭県で開催された第24回「漢語橋」世界大学生中国語コンテスト世界決勝大会で出場者たちが最終決戦に臨む出場者にエールを送る様子(2025年8月24日撮影・王東明)。
2025年9月末現在、すでに世界86ヶ国が中国語を国民教育体系の中に組み入れている。
温州大学華僑学院の王禕副院長は、「世界を見渡すと、中国語を国民教育体系に組み入れる現象には3つの目立った特徴が見られる」と指摘し、次の3点を挙げた。
1)地域分布の多様化
中国語教育はすでに東アジア文化圏と東南アジア文化圏を越えて、中欧・東欧、中東地域、中南米、アフリカ諸国へと広がりを見せている。その軌道は中国の対外投資や貿易往来の地理的ルートとよく一致しており、経済の地理学的特徴が顕著だ。
2)教育段階の早期化
当初、海外における中国語教育は多くが大学教育段階に集中していたが、今では急速により早期の基礎教育段階へと広がっている。このことは学習者が初めて中国語に接する年齢がより低くなり、学習スパンがより長くなり、学習効果がより安定することを意味する。
3)評価体系の国際化
現在、中国語のレベルテスト(漢語水平考試、HSK)は世界約160ヶ国に1400ヶ所以上の試験場を設け、中国語教育の評価基準が世界規模で統一に向かい、人材の流動や語学力の認定が円滑になった。

福建省福州市平潭県で開催された第24回「漢語橋」世界大学生中国語コンテスト世界決勝大会で出場者たちが最終決戦に臨む出場者にエールを送る様子(2025年8月24日撮影・王東明)。
なぜますます多くの国が中国語を国民教育体系に組み入れるのか?
王氏は次のように説明した。
中国語を国民教育体系に組み入れることは、各国が現実的な利益と長期的な戦略に基づいて行う理性的な選択だ。まず、貿易依存度という観点から見ると、中国語はすでに国際貿易言語と収入を増やすツールになっていることから、中国語教育の重視へと各国を直接駆り立てるようになった。
次に、人的資本のプレミアムの顕在化だ。グローバル産業チェーンの中で、特に国際物流、新エネルギー、EC、人工知能(AI)などの新興分野において、中国語を習得した現地の社員はおしなべて賃金が高い。これは中国語教育への投資が自国の人的資源の競争力への投資にほかならないことを意味している。
最後に、デジタルインフラの波及効果が中国語教育の普及を後押しした。インフラ建設、5G技術、AIなどの分野で中国と密接に協力する国は中国語を教育体系に組み入れる意欲と速度が明らかに他国よりも高く、このことは技術基準における協働が言語文化の学習ニーズを高めていることを物語っている。
こうしたことから明確なシグナルが発せられている。それはつまり、国際公共財の供給構造において、制度的権力と人的資源の要素として、言語の再構築が進んでいるというシグナルだ。各国が中国語を国民教育体系に組み入れるのは、本質的には現在の変革への積極的な対応であり、自国の発展のために戦略的に人的資本の蓄積を行っているということだ。(編集KS)
「人民網日本語版」2025年11月14日
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