「中欧北極高速航路」、定期運航の段階へ

人民網日本語版 2026年09月11日16:11

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9月9日、コンテナ船「ブルジュ・ハリファ号」がゆっくりと英国のティーズポートに入港した。蓄電システムや動力用バッテリー、太陽光発電モジュールなどの中国製品を満載し、浙江省の寧波舟山港を出港した同船は、ベーリング海峡を通過して北極海の北東航路に入り、20日間にわたる遠洋航海を経て予定通り欧州市場に到着した。

「ブルジュ・ハリファ号」の出航後、今年8月から10月にかけて、少なくとも8便の定期運航が予定され、7~8隻の船舶が交代で運航し、「中欧北極高速航路」は定期運航の段階に入る。昨年9月に初の試験航海を終え、現在では週1便の正式運航が実現し、ユーラシア大陸を結ぶ北方物流の大動脈が正式に形成された。

北極を迂回するのは、かえって遠回りではないのか。しかし、実はそうではない。データを比較すれば、一目瞭然だ。

まず、航行距離を見ると、「中欧北極高速航路」は約8000海里で、スエズ運河航路、喜望峰航路と比べ、それぞれ約3000海里、6800海里短い。航行日数で見ると、「中欧北極高速航路」は全行程で約20日。スエズ運河航路、喜望峰航路と比べ、それぞれ15日、25日短縮される。

距離が短く、輸送時間も短いことは、物流コストの低減を意味する。海傑海運の方軼CEOは「輸送期間が短縮されれば、貨物の在庫としての滞留期間を短くでき、運転資金を有効に活用できる。越境ECなど、輸送の迅速性が求められる貨物にもより適している」と語る。

北極航路の価値は、「速さ」だけではない。第一に、北極航路は天然の「コールドチェーン」である。荷主企業である恵州億緯鋰能(EVE Energy)の物流企画ディレクター、范治国氏は「北極航路は全行程が低温であるため、バッテリーなど温度に敏感な貨物により適している。貨物損傷のリスクを低減できるだけでなく、冷蔵コストも削減できる」と語る。

第二に、この航路は低炭素型の輸送ルートでもある。試算によると、スエズ運河航路と比べ、北極航路では1航海当たりの二酸化炭素排出量を約50%削減できる。同時に、北極航路の船舶はクリーン燃料を使用しており、環境にやさしいグリーンな航海というニーズにもかなっている。

大連海事大学航運経済・管理学部の馮暁玲教授は「試験航海が『貨物があれば出航する』方式であるのに対し、定期船は『定められた日に出航する』。固定された航海スケジュール、複数港への寄港、公開されたスペース予約。これらは、北極圏のコンテナ輸送がすでに実現可能性の検証段階から、定期的な商業運航の段階へと移行したことを意味する。また、荷主としては、北極航路をサプライチェーン計画に組み込むことが可能になる」と指摘する。

方CEOは「今後3~5年以内に、年に約4ヶ月間の安定的な通航を実現する計画だ。5~10年以内には、通年通航という目標の達成を目指す」としている。

長期的な展望として、中国港湾協会の顧金山会長は「この航路は、一方で中国国内の産業集積地とつながり、もう一方で欧州の消費需要に対応している。航海数の拡大に伴い、中欧物流の『第三のルート』へと発展すると見込まれる」と指摘。さらに、同航路では、中国国内の集荷港として大連、太倉など複数の港をカバーしており、将来的には中原地域や北方エリアの内陸部の貨物も、鉄道・水運を組み合わせた複合一貫輸送によって北極高速航路を利用できるようになるとの見方を示す。

技術、市場、保障の各方面の取り組みを強化し、海運、荷主、港湾など複数の主体が連携することで、中欧物流のこの「高速ルート」はますます広がり、世界の海運に新たな情景を描き出すことになるだろう。(編集NA)

「人民網日本語版」2026年9月11日

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