公平な協力が唯一の正しい選択

人民網日本語版 2019年05月24日11:24

現在、ゼロサム思考が米国の政策決定者たちの間で猛威を振るっている。米国の貿易が輸入超過であるのを見ると、貿易相手国にほしいままに追加関税を課す。他国が科学技術革新で新たな成果があるのを見ると、知的財産権を盗んだのだとそしる。「一帯一路」の「コミュニティー」拡大を見ると、「債務の罠」を名目にあちこちでデマを飛ばす。中国の国際的影響力が日増しに高まるのを見ると、世界中で中国をそしり、中傷する。(人民日報「鐘声」国際論評)

彼らは外交的、経済的、さらには軍事的資源を使うことを辞さず、脅迫、制裁、さらには戦争手段によって「自国を満腹にし、他国を餓死させる」醜い目的を達成しようと企てる。しかし、こうした視野の狭い行為が、米国を「再び偉大に」することができないだけでなく、深刻な自己消耗に陥れるだけである。米ブルッキングス研究所の統計によると、1982年から1984年まで米国が日本の自動車に対して貿易制裁を課したことで、米国の自動車製造業は雇用が6万人減ったことになった。米ピーターソン国際経済研究所の報告によると、米国の対外制裁の成功率は1945~69年で50%、1970~89年で31%、1990~2000年で29%だった。つまり、米国の対外制裁は回数は増えているが、効果は逓減しているのだ。米国の対外制裁の成功率は5%に過ぎないと見る米国の学者さえいる。

ゼロサムゲームの悪循環の中で我を忘れた米国は戦略面で苦境に陥り続け、その様々なやり方が米国内を含む国際社会の一致した非難に遭っている。米戦略国際問題研究所(CSIS)で貿易を専門とするWilliam Reinsch氏は「今や国際貿易はゼロサムゲームではなく国家間のウィンウィンの協力だ。米国の現行の貿易政策は17、18世紀の重商主義政策の延長により似ており、21世紀の経済グローバル化の現実に即していない」と指摘する。米政府が現在推し進める一方的貿易政策に対して、EU高官は「貿易政策はゼロサムゲームではなく、勝つか負けるかの争いではない。貿易はウィンウィンであることができるし、そのはずだとEUは信じる」と直言する。

公平な競争とウィンウィンの協力が、国際社会本来の基本的姿であるはずだ。共に大国である中米にとって、唯一の正しい選択は協力だ。これは両国及び両国民にとってプラスであるだけでなく、世界の平和と繁栄に対しても大きな作用を生む。いかなる誤った思考や戦略判断も、世界中に連鎖反応を引き起こしうる。「貿易をめぐる中米間の緊張はすでに世界全体の回復に影響を与えているし、投資と成長にリスクをもたらしている」との、アンヘル・グリア経済協力開発機構(OECD)事務総長の懸念は注目に値する。

歴史を振り返ると、覇権的地位と利益独占に心酔し、世界を戦争や冷戦に引きこみ、人類社会全体に深刻な災禍をもたらした者たちがいた。余りにも多くの苦痛と苦難を経験したからこそ、人類はなおさらに協力とウィンウィンを大切にし、共通の幸福を追求し、世界の進歩を推進するようになったのだ。現在の世界では、国と国は互いに結びつき、依存し合っており、次第に運命を共にし、苦楽を共にする共同体になってきている。ゼロサムゲームと冷戦思考で国際問題に対処すれば、米国は自ら作り上げた「戦略の落とし穴」に陥るだけであることを、歴史の経験は繰り返し告げている。(編集NA)

「人民網日本語版」2019年5月24日

  

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