中国の若者の間で「バードウォッチング」がブームに 文化観光の新たな牽引力に
中国の若者の間で今、「バードウォッチング」がブームになっている。ショート動画共有アプリ「抖音(中国版TikTok)」では、「バードウォッチング」関連の動画の再生回数が7億回を超えている。また、ソーシャルコマースプラットフォーム・小紅書では、関連の話題の閲覧回数が4億4000万回以上、コメント数が396万件以上に達している。
写真提供・新華社(撮影・郭連友)
小紅書が4月27日に発表した「バードウォッチング動向報告」によると、過去1ヶ月、同プラットフォームの「バードウォッチング」の検索回数が前年同期比より19倍増加した。また、ここ1年、「バードウォッチング」関連の書き込み数が過去10年の総和の1.2倍に達した。さらに2年前では、関連の書き込みをしていたユーザーは主に35歳前後だったのに対して、ここ1年は、25歳前後のユーザーだったことは注目に値する。
写真提供・取材対象者
では、若者の間でバードウォッチングがこれほど人気になっているのはなぜなのだろうか?取材では、自然に触れたり、リラックスしたりするというのが、若者がバードウォッチングを好む主な理由であることが分かった。
甘粛省蘭州市に住む年若いバードウォッチャーである蒋震さんは、「バードウォッチングをすると、大自然に溶け込むことができ、心の安らぎを得ることができる。バードウォッチングをすると、生活の素晴らしさや自然の力を感じることができる」と語る。
そして若者にとって、バードウォッチングは趣味であるだけでなく、友達を作る新たな機会にもなっている。
江西省バードウォッチング協会の湯騰副会長は、「若者はバードウォッチングの社交性を非常に重視している。ソーシャルメディアでバードウォッチングの経験やユニークな鳥の行動をシェアするバードウォッチャーが増えている。インターネット上にも、バードウォッチングを趣味とする人が集まるグループがたくさんある」と説明する。
写真提供・取材対象者
バードウォッチャーが若年化し、その人数が増えるにつれて、「バードウォッチングブーム」は、消費の新たな成長ポイントになる巨大なポテンシャルを秘めていることが示されている。中国各地のバードウォッチャーは、飲食や宿泊、交通などの消費を促進しているほか、バードウォッチング産業の新業態充実化をバックアップし、新たな「経済成長」をもたらしている。
写真提供・取材対象者
湯副会長は、「バードウォッチャーが増え、バードウォッチングの目的地にある各種飲食、宿泊、ガイド、文化クリエイティブといった産業がまず益を受け、現地の文化観光産業のアップデートを促進している。単一的だった従来の旅行商品も、バードウォッチングや撮影、研学などを含む多角的な複合業態へと成長し、特色ある鳥類の人気商品も登場している」としている。
その他、「バードウォッチングブーム」は、地域の文化観光のエコロジカルで環境に優しいグリーンなイメージを高めている。例えば、江西省の鄱陽湖で開催された第3回「国際バードウォッチングシーン」開催期間中、関連の情報の閲覧回数が6億回を超え、延べ200万人以上がバードウォッチングのために同地を訪れ、その観光収入は合わせて5億元(1元は約20.1円)を超え、江西省のエコツーリズムブランドになっている。(編集KN)
「人民網日本語版」2025年5月20日
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