中国の北斗衛星測位システムはどれほど幅広く応用されているのか?

人民網日本語版 2025年05月21日14:10

「2025中国測位衛星システム・位置情報サービス産業発展白書」が5月18日に発表された。白書によると2024年、中国の同産業の総生産高は前年比7.39%増の5758億元(1元は約20.0円)に達した。また測位衛星システムの特許出願数は累計で12万9000件に達し、世界においてトップとなっている。

その背後では、北斗衛星測位システムの応用が、各業界や大衆消費の分野で深化している。

白書によると、現時点で北斗衛星測位システムは、交通・運輸、電力、大衆消費といった分野でイノベーションとブレイクスルーを実現し、高精度位置情報サービスの能力と水準を大幅に高めている。

交通・運輸の分野を見ると、2024年末の時点で、道路運営車両、郵政宅配便車両、鉄道交通といった面で、北斗が搭載されている各種端末・設備は累計で約1350万台(セット)となっている。その他、港の積み下ろしや集積の全自動化作業において、北斗が搭載されているAGV(無人搬送車)の運行効率は25%向上していた。

2024年、電力業界でも北斗衛星測位システムの応用が大々的に推し進められ、それが搭載されている各種端末は50万台(セット)以上に達している。ドローンの自動パトロールや変電所のロボットパトロールといった業務に導入されているスマート端末に、信頼性が高く、高精度の位置情報サービスを提供することで、送電関連の潜在リスクの洗い出しの効率が大幅に高まっている。

国連公認の全球測位衛星システム(GNSS)の主要サプライヤーである北斗衛星測位システムは、民間航空、海事、モバイル通信などの11の国際機関の標準システムに全面的に組み込まれており、その「友達の輪」が世界で広がり続けている。

さらにナイジェリアやチュニジア、セネガルを含むアフリカの30ヶ国以上で、北斗CORS基地局が設置されている。中国の低空域飛行活動による経済形態「低空経済」の規模はすでに5000億元に達しており、2030年をめどに2兆元にまで拡大すると見られている。(編集KN)

「人民網日本語版」2025年5月21日

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