中国侵略日本軍細菌戦1644部隊の完全版「留守名簿」が日本から南京へ

人民網日本語版 2025年06月17日10:12

中国侵略日本軍南京大虐殺遭難同胞紀念館は14日、中国侵略日本軍の細菌戦に関わった部隊である「1644部隊」隊員の情報を記録した公文書「留守名簿」を入手した。新華社が伝えた。

同館の周峰館長は、「日本の中国侵略戦争の期間に、南京で1644部隊が編成され、細菌兵器を製造する工場を建設し、細菌兵器の実験を行い、さらには細菌兵器を戦場に投入して、中国の軍人と民間人を大量に虐殺し、人々を激怒させる人道に対する罪を犯した。当館には中国侵略日本軍1644部隊の細菌兵器実験の被害者の遺骨、同部隊が使用したメス、バッジ、写真などの資料が所蔵されている。今回、1644部隊の完全版『留守名簿』が南京に戻り、日本の軍国主義の細菌戦発動という罪に動かぬ証拠があることが改めて明らかになった。中国は中国侵略日本軍1644部隊の名簿の収蔵を契機として、公文書・資料を深く掘り下げるとともに、展示・陳列と歴史教育に活かし、史実を通じて歴史を伝え、真実を明らかにし‌、第二次世界大戦についての正しい歴史観を発揚し、人類の正義と平和を守り抜いていく」と述べた。

1644部隊の研究に長年携わってきた南京大学歴史学院の呂晶准教授は、「2冊の1644部隊の完全版『留守名簿』は、隊員の本名や詳しい個人情報を明らかにするもので、この部隊を系統的に研究する上で信頼性の高い資料を提供しただけでなく、中国侵略日本軍の細菌戦システムをより一層明らかにするための基盤となる。また、南京と所属支部所在地にある1644部隊の跡地は今も残されており、こうした跡地の保護を推し進め、さらに集合的記憶の再構成と平和教育の踏み込んだ展開を促進しなければならない」との見方を示した。

日本の国立公文書館は5月14日、中国侵略日本軍細菌戦部隊1644部隊の『留守名簿』を初めて公開した。この資料が公開されたことを知った中国侵略日本軍南京大虐殺遭難同胞紀念館は資料の引き渡しを積極的に申請し、日本の有識者の協力の下、今月14日についに完全版を入手することができた。

中国侵略日本軍細菌戦部隊「1644部隊」隊員の遺族・竹上勝利さんは、「1644部隊について知られていることはまだ非常に少ない。『留守名簿』が公開されたことで、中日両国の学者による共同研究が進むことを願う」と述べた。(編集KS)

「人民網日本語版」2025年6月17日

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