上海の新シルバー族の消費ニーズが「生存型」から「発展型」や「享受型」へ
中国において高齢化が加速するにつれて、「シルバー経済」が消費市場におけるカギとなる成長極の一つになっている。17日に発表された「上海新シルバー族の消費習慣調査報告」(以下、「調査」)によると、新シルバー族の消費ニーズは、「安くて実用的」という枠をすでに超え、「品質、機能、体験」を重視するようになり、今後、消費の質の向上と高度化を効果的に促進すると見られている。中国新聞網が伝えた。
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調査によると、新シルバー族の消費ニーズは、「生存型」から、「発展型」や「享受型」へと全面的に高度化している。「新シルバー経済」が徐々に、消費の質の向上・高度化の「戦略的分野」となり、今後、1兆元(1元は約20.2円)級の消費市場へと成長する可能性がある。
今回の調査では、6割以上(60.22%)の上海の新シルバー族の定年退職後の生活の質に対する要求がやや高まっていた。また10.36%の新シルバー族は、自分の趣味のためにお金を使うことを望んでいた。データは「経済的な余裕、時間、意欲、要求がある」という特徴を備えている新シルバー族が多く、消費のポテンシャルは非常に大きいことを示している。
新シルバー族の好みには、「品質優先」、「革新的な機能重視」、「体験重視」という3つの特徴がある。新シルバー族の品質、機能、体験の全てを重視する消費動向は、従来のシルバー族の「安くて実用的」重視の習慣や、「00後」を代表格とする若者の「コストパフォーマンス」を追求する消費習慣とは非常に対照的で、「新シルバー経済」が今、消費の質の向上・高度化の重要な牽引力となっている。
今回の調査では、新シルバー族の消費ニーズは、「健康・ヘルスケア」、「観光・社交」、「趣味」といった分野にかなり集中していることが分かった。健康関連の消費は、新シルバー族の「コアな硬直的需要」だ。健康食品(ビタミン、プロバイオティクス、中国スタイルのサプリメントなど)の注目度は58.06%、フィットネス・スポーツ関連の消費(球技、運動器具、ヨガなど)の注目度は43.74%となっている。このような動向は、新シルバー族の「積極的に健康管理」するというニーズの高まりを示している。
新シルバー族の消費シーンは、「生活に必ず必要なシーン」から、「高品質の体験」へと高度化し、53.09%が「オーダーメイド旅行や社交的な集まり」といったオーダーメードサービスに注目している。今回の調査では、スマート化を通して、「健康」、「便利」、「安全」機能を実現した新技術製品が、新シルバー族を対象とした競争の場における大ヒット商品となる可能性があることが分かった。一番欲しいスマート系製品として、57.34%の新シルバー族は、「高齢者に適したウェアラブルデバイス」を挙げ、最多だった。次に多かったのは、家庭用健康管理デバイス(インターネットに接続できる血圧・血糖値・心電図計測器、睡眠の質をモニタリングできるスマートベッドマットレス、マッサージチェアなど)で、3番目に多かったのは、スマートセキュリティ対策関連製品(顔認識玄関ドア、スマートカメラなど)だった。
上海市消費者権益保護委員会は、「新シルバー族の『積極的な健康管理』や『オーダーメードサービス』、『自己実現』、『生活におけるセレモニー感』といった面に対する注目は、関連業界の供給側のイノベーション加速につながり、シルバー消費を対象とした競争の場が、『低価格競争』から、『価値をめぐる競争』へのモデル転換を促進し、長期的に消費市場に活力を注入していくだろう」との見方を示している。(編集KN)
「人民網日本語版」2025年6月19日
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