「千年の古都」が「AI第一都市」へと変貌

人民網日本語版 2025年06月19日09:10

中国トップレベルの人工知能(AI)学者、研究機関および最多数のAI企業と大規模AIモデルが集結。そして、中国初の1千億パラメータ大規模言語モデル、初のAIエージェント、初のAI「ユニコーン」、初のスマートロボット実験室がここで誕生。3000年以上の都市の歴史と800年以上の首都の歴史を誇る千年の古都である北京は、よりスマートでより先進的な姿を見せ、新しい北京のイメージを刷新している。新華網が伝えた。

世界初のネイティブマルチモーダル世界モデル「悟界・Emu3」、中国初の深層思考が可能なAIエージェント「AutoGLM沈思」……。AIの進化の道筋をたどり、「AI密度が最も高い」とされる北京の成府路、知春路、中関村大街のエリアを訪れてみると、AIの存在が至る所に感じられた。

米国から帰国し北京で研究活動を行う科学者の朱松純氏は、「高度人材がここに集まり、産学研用(産業・大学・研究機関・ユーザー)が一貫して連携している。北京は中国のAI分野のイノベーション発信地、新技術と新理念の創出地になりつつある」と述べた。

智源研究院に足を踏み入れると、研究開発者が最先端のマルチモーダル世界モデルを開発するために時間と戦っていた。

同研究院の王仲遠院長は、「AIが真に次の段階に進化を遂げるために重要なのは、デジタル世界から物理世界に移行することだ。AIが物理世界を真に『見』て、『理解』し、それに影響を及ぼすためにはどうすべきかという、より先端で壮大な命題に取り組んでいる」と述べた。

北京市科学技術委員会、中関村管理委員会情報科学技術処処長の韓健氏は、「イノベーション発信地としての北京は、独自のイノベーションを持続的に推進し、エンボディドAIやAI+ヘルスケアなどの先端的・学際的領域に将来を見据えた展開を行い、将来の産業に向けた技術的備えを強化している」と述べた。

この大規模言語モデルの波が押し寄せる以前から、北京市はAI分野における6つの全国重点実験室と3つの国家工学研究センターを計画・設立し、基礎研究、人材育成、ハイレベル学術交流を統合した高度な研究拠点を構築している。

現在、中国の陸地面積のわずか約0.17%を占める北京には、中国のAI企業の40%が集まっている。

人材という重要な変数を確保するため、北京市は中国初のAI人材に特化した政策を打ち出し、北京中関村学院を設立し、革新的なモデルで35歳以下のAI分野の優秀人材の育成に注力している。

韓氏は、「北京は中国でAIイノベーション資源が最も豊富な都市だ。全国重点実験室は21カ所、全国の優秀人材の40%以上が集まっている。北京はさらに強力で長期的な支援策を実施し、若手の複合型人材に大いに活躍できる場を提供している」と述べた。

韓氏は最後に、「2024年に北京のAI企業は2400社を突破し、中核産業の規模は3500億元(1元は約20.2円)近くに達した。これらはいずれも全国の50%以上を占めた。北京はまさに名実ともにAI第一都市となった」と締めくくった。(編集YF)

「人民網日本語版」2025年6月19日

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