宅配便を届ける湖南省長沙市の「空飛ぶタクシー」
午後6時頃、帰宅ラッシュの時間帯に地上の交通は大渋滞になり、車が「長蛇の列」をなしていた。
湖南省長沙市の吾悦広場の屋上では、「ブーン」という音とともに、ドローンの翼が高速で回転し、離着陸場から空中へと飛び立った。この「空飛ぶタクシー」が運ぶ宅配便は、離陸から10分足らずで約5キロメートル離れたオフィスビルに到着した。
この低空域航空路線を運営する湖南智航飛購科技有限公司(以下「智航飛購」は、長沙自貿臨港区にあり、「低空経済」(低空域飛行活動による経済形態)を手がける代表的企業だ。現在、智航飛購は長沙市長沙県にドローンリアルタイム小売配達路線を12本構築・運営しており、サービス提供範囲は周辺の主要商業エリアと大型住宅エリアをカバーし、「即時対応、正確配送」が可能な空中物流ネットワークをほぼ構築した。
智航飛購の朱紫棋副社長は、「湖南省全体で、投資運営する航空路線は20本以上ある。これらの路線は成熟したビジネス圏をベースとし、大学、コミュニティ、オフィスビル、景勝地などにスマート離着陸スポットを設置し、半径5-10キロメートルの即時配達モデル区を構築し、『低空経済』を商用化するルートを積極的に探求してきた」と述べた。
長沙自貿臨空区は早くも2022年に「中国民間用ドローン産業の第1都市」の構築を目指さ方針を打ち出しており、24年には湖南省初の県域「低空経済」の開発本部ビルがここに建設された。今では県全体で智航飛購、湖南低空領航通用航空有限公司、湖南大方植保有限公司を含む「低空経済」産業チェーンの企業が120社以上ある。
同省は「低空経済」の新たな競争の場に狙いを定め、25年には全省の「低空経済」分野の一定規模以上の企業(年売上高2000万元以上の企業)を20社以上に増やし、「1+13+N」のゼネラル・アビエーション空港ネットワークをほぼ構築し、「低空経済」の総生産額を1600億元(1元は約20.2円)に引き上げる計画だ。さらに35年にはゼネラル・アビエーションを省全体の重要な基幹産業に育て上げることを目指している。(編集KS)
「人民網日本語版」2025年7月7日
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