第3期中国大学日本語教員上級研修の修了式が日本で開催

人民網日本語版 2025年08月06日10:40

日本笹川平和財団笹川日中友好基金、中国教育国際交流協会と北京外国語大学北京日本学研究センターが共同で主催する「第3期中国大学日本語教員上級研修」の修了式が1日、日本の埼玉県で行われた。天津、安徽、貴州などの大学から参加した日本語教員20人に修了証書が授与された。

研修に参加した日本語教員と主催者代表との記念写真(撮影:蒋暁辰)

研修に参加した日本語教員と主催者代表との記念写真(撮影:蒋暁辰)

主催者によれば、中国日本語教員研修プロジェクトは2022年に始まり、毎年、中国の大学300校余りから100人の日本語教員を選出して中国国内で研修を実施し、その中から成績優秀者を選抜して日本での視察・研修を行っている。研修内容は、日本語教育に関する研修、日本の大学の訪問、日本の伝統文化に関する講座への参加などだ。

主催者を代表して挨拶する笹川日中友好基金の于展室長(撮影:蒋暁辰)

主催者を代表して挨拶する笹川日中友好基金の于展室長(撮影:蒋暁辰)

修了式では、主催者を代表して笹川日中友好基金の于展室長が、研修を無事に終えた教員たちに心から祝意を表明。「皆さんには、この機会を十分に活かし、3週間の学習の成果と貴重な経験を中国の日本語教育界の仲間たちと積極的に共有し、研修の価値を最大限生かしてもらいたい。研修を通じて築かれたチームの力を大切にし、日本語教育事業の発展を共に推進してもらいたい。今後、私たちは過去の参加者同士の横のつながりを強化して、皆さんにより多くの共有と協力の場を提供していく計画だ」と語った。

挨拶する日本・国際交流基金日本語国際センターの諏佐由有子副所長

挨拶する日本・国際交流基金日本語国際センターの諏佐由有子副所長

日本・国際交流基金日本語国際センターの諏佐由有子副所長は、3週間の研修を振り返り、「各先生方が日本語教授法やAIといった課題について深く学ぶとともに、研修の内外で積極的に交流するのを見て嬉しく思った。皆さんが、研修で学んだ知識をより多くの仲間と共有し、今回築いたチームの力と人脈を活かして、日本語教育事業の発展を共に後押しすることを楽しみにしている」と語った。

研修参加者を代表して挨拶する青海民族大学の日本語教員・馬姝婷氏(撮影:蒋暁辰)

研修参加者を代表して挨拶する青海民族大学の日本語教員・馬姝婷氏(撮影:蒋暁辰)

研修参加者の代表として、青海民族大学外国語学院日本語学科の責任者である馬姝婷氏が挨拶し、主催者の提供した貴重な機会と丹念に準備された研修内容に心から感謝の意を表明。「3週間の研修課程を通じて、私たちは知識を習得しただけでなく、日本の教育理念、文化理解、教授法の革新など多面的な学びの体験を得た。これは日本語教員にとって貴重な財産だ。今後私たちは、今回の研修で得た経験と見識を、より多くの日本語学習者に伝え、中日両国間の相互理解を促していく」と語った。

成果発表会の様子(撮影:蒋暁辰)

成果発表会の様子(撮影:蒋暁辰)

その後、諏佐副所長と于展室長から、研修に参加した教員たちに修了証書が授与された。この日行われた成果発表会と研修振り返り会では、教員たちはグループに分かれて話し合い、研修の成果を授業設計に反映させるうえでの考えや気づきを共有した。

中国日本語教員研修プロジェクトは、特に中国中西部地域を中心に、大学日本語教員の言語能力・教育スキルの強化、国際的視野の拡大を通じて、教育の公平性と質の向上を目指している。

研修振り返り会の様子(撮影:蒋暁辰)

研修振り返り会の様子(撮影:蒋暁辰)

研修参加者を代表して挨拶した馬姝婷氏は人民網の取材に対し、「2009年から2015年まで、青海民族大学からは計16人の学生が笹川平和財団主催の中国の地方大学日本語学習者向け訪日研修に参加し、学習意欲を大いに高めた。今回、私自身も日本語教員として訪日研修に参加し、充実した3週間を過ごし、日本語教育と日本文化に対する認識をさらに深めた」と語った。

石河子大学外国語学院大学日本語課程の責任者である時青青氏は、「私は学生時代に笹川平和財団の訪日研修に参加した。今回は日本語教員として再び訪日研修に参加し、より深く感じるものがあった。3週間の研修課程で、授業をより興味深いものにする方法や、オンラインリソースを有効活用する方法など、実践的な教授法の知識を数多く学ぶことができた」と語った。

温州大学外国語学院日本語学科主任の呉琳氏は、これまでに複数回の訪日交流の経験があるが、今回の研修は最も印象深いものになったとして、「日本語教育理論の体系的学習から多くの学びが得られたほか、三味線や茶道といった日本の伝統文化体験から、さらに豊かな教育素材を得ることができた。今回の研修で得た学びや所感、気づきを実際の授業に活かして、より多くの学生が日本語学習の楽しさを感じられるようにしていく」と語った。(編集NA)

「人民網日本語版」2025年8月6日

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