「人の気持ちが分かる」スマートロボットが中国の一般家庭に普及へ

人民網日本語版 2025年09月09日15:40

重慶市で今月5日から8日までの4日間にわたり開催された2025世界スマート産業博覧会で、ロボット開発企業「思霊機器人(AGILE ROBOTS)」のブースは、常に大勢の人で賑わいを見せていた。ロボットアームが体験者の腰部分をマッサージしながら、センサーを通じて筋肉の凝っている箇所を感知し、適度な力を加えると、「このロボットのマッサージは経験を積んだマッサージ師よりも上手かも!」と驚きの声を上げていた。新華社が伝えた。

この「大白」という名前のロボットアームは、北京思霊機器人科技有限責任公司が研究開発したウエルネスロボットで、触覚センサーとAIアルゴリズムを通して、体験者にプロフェッショナルなマッサージを提供することができる。

2025世界スマート産業博覧会で人型ロボットの顔に手を伸ばす来場者(9月5日撮影・陳誠)。

2025世界スマート産業博覧会で人型ロボットの顔に手を伸ばす来場者(9月5日撮影・陳誠)。

「AI+」と「スマートコネクテッド新エネ車」というテーマに焦点を合わせた今回の博覧会には、中国国内外の企業約600社が出展し、スマート産業の革新的成果3000件以上を披露した。スマートロボット展示エリアでは、伝統的な工業の境界を打破した新製品が特に注目を集めていた。

歌やダンスが得意な人型ロボットから、掃除が得意なロボット掃除機、子供の遊び相手となるペット型ロボット、リハビリをサポートするバイオニックデバイスに至るまで、「人の気持ちが分かる」スマートロボットが今、一般家庭でも普及し始めている。

重慶の明月湖国際スマート産業テクノロジーイノベーション基地(Industrial Innovation Park)のブランド運営責任者・奚娥娥氏は、展示されている革新的な製品を指さしながら、「ロボットは鋼鉄に覆われた冷ややかな機械ではない。温かみのあるテクノロジーを実現しなければならない。今回は、点字読み上げのボトルネックを打破した点字ディスプレイ『咫尺』、 健康診断してくれるスマートベッドサイドランプ、モジュール化できるロボット草刈り機、モバイル充電スタンドに『変身』できるEVキャンピングカーなどを展示している。これらの革新的な製品は、インドア、健康、アウトドアといったシーンをカバーしていて、スマートロボット技術が一般家庭にも恩恵をもたらす動向を示している」と説明した。

2025世界スマート産業博覧会でサッカーをする人型ロボットを見る来場者(9月5日撮影・陳誠)。

2025世界スマート産業博覧会でサッカーをする人型ロボットを見る来場者(9月5日撮影・陳誠)。

これらの製品の背後では、中国のスマートロボット産業が急速に発展し、構造のモデル転換を実施している。2025世界ロボット大会のデータによると、中国は12年連続で世界最大の工業ロボット市場の座をキープし、2024年のサービスロボットの生産台数は前年比34.3%増の1051万9000台に達した。世界的な金融グループ・モルガン・スタンレーの報告によると、中国のロボット市場の規模は2028年には1080億ドル(1ドルは約147.4円)に達し、そのうちサービスロボットの複合年間成長率 (CAGR)は25%に達すると予測されている。

展示館では、子供たちの笑い声が響き、技術が温かみのある生活をもたらしていることを示していた。6歳の娘を連れて来館した李青さんは、「娘は机の上に置くかわいいネコの形をしたロボットが気に入ったので、購入する予定」と話していた。このふんわり起毛のネコの形をしたロボット「小優」は、会話のやり取りができるほか、表情が豊富で、勉強のアシスタントになるほか、楽しい相棒にもなってくれる。

中国のロボット産業は今、大規模化と低コスト化を加速度的に実現しているほか、設計から組み立てまで整ったサプライチェーンを作り上げている。博覧会のスタッフは、「1千元(1元は約20.7円)代の製品は、一般家庭がスマートロボットを購入するハードルを下げ、より多くの人が技術の恩恵を受けることができるようになっている」とした。(編集KN)

「人民網日本語版」2025年9月9日

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