中国の科学者、火星の砂塵循環を包括的にシミュレート

GoMarsの50年シミュレーションで発生した11回の全球性砂塵嵐と砂塵循環の関連メカニズム。
中国科学院大気物理研究所の研究者が火星大気循環モデル「GoMars」の開発に成功したことが、同研究所への取材で分かった。このモデルに基づき、研究チームは火星の砂塵循環を体系的にシミュレートし、砂塵循環の全体像を再現したうえ、その多時間スケールにわたる変動特性を重点的に示し、さらに最も難題とされる年次変動の再現にも成功した。火星大気シミュレーションにおいて年次変動は難しい課題とされてきた。また、同研究はGoMarsのシミュレーション性能を効果的に評価し、将来の火星天気予報および気候予測の実現に向け、重要な基礎を築いた。関連成果は学術誌「大気科学進展(Advances in Atmospheric Sciences)」に掲載された。
火星探査機「天問1号」ミッションの成功と、「天問3」サンプルリターンミッションの着実な準備が進む中、中国の火星探査は新たな段階に入っている。火星の気象環境、特に砂塵循環に関する理解へのニーズは日増しに高まっている。この分野で中国独自の数値モデルが長く欠如していた状況を打開するため、中国初の独自開発による火星大気循環モデル「GoMars(Global Open Planetary Atmospheric Model for Mars)」が誕生した。
同研究では、GoMarsに基づき、境界層に砂塵の乱流混合過程を導入し、地表からの砂塵供給量に関する合理的な制約を組み合わせることで、50火星年(1火星年は地球の約2年)にわたる砂塵循環を連続シミュレートし、多時間スケールの変動特性を体系的に探究した。GoMarsは、塵旋風(ダストデビル)や風応力による砂塵の巻き上げ、砂塵の移流・沈降など、大気中での砂塵の運動過程を完全に再現している。
GoMarsは、全球規模の砂塵嵐の自然発生をシミュレートでき、その発生時間、位置、輸送経路を再現し、特定の火星年における観測とも一致した。また、不規則な全球性砂塵嵐の発生間隔や、砂塵と大気の相互フィードバックといった顕著な年次変動も再現している。
研究チームは今後、より実観測に近い動的な地表面特性を導入し、現在なお未解明の火星砂塵循環の年次変動メカニズムを深く探究する。同時に、火星の水循環過程を統合し、砂塵循環との相互作用を研究する。また、GoMarsに高度なデータ同化システムを構築する。最終的には「天問3号」の実測データを利用してリアルタイムの火星天気予報を実施する計画だ。(編集YF)
「人民網日本語版」2025年12月2日
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