AIの未来を照らす中国西部の風力・太陽エネルギー

人民網日本語版 2026年09月01日10:38

中国のAI企業であるDeepSeek(ディープシーク)は6月に500億元(1元は約23.8円)の資金調達を完了したばかりだが、すぐさまその資金を内蒙古(内モンゴル)自治区のある小都市につぎ込み、1ギガワット(GW)級の超大型AIデータセンターを建設する計画だ。中国新聞網が伝えた。

その都市とは、烏蘭察布(ウランチャブ)だ。

DeepSeekにとどまらず、華為(ファーウェイ)、アリババ(阿里巴巴)、アップル、快手、百度(バイドゥ)、字節跳動(バイトダンス)なども進出しており、今年6月末までに、89件のデータセンタープロジェクトが烏蘭察布と契約を締結し、総投資額は5000億元を超えている。

烏蘭察布は、おいしいジャガイモの産地として知られているが、将来は演算能力で知られるようになるだろう。

ウォール街から見れば、中米の演算能力競争において、烏蘭察布はダークホースだ。ゴールドマン・サックスが発表した中国データセンター業界報告書は、「烏蘭察布はアジア太平洋地域で最大規模かつ最も急速に成長するAI演算能力クラスターの一つへと台頭した」としている。

2026年6月時点で、烏蘭察布のデータセンターの稼働済みおよび計画中の容量は合計約12.5GWに達している。25年の稼働規模と比べ、潜在的な拡張余地は10倍を超える。

26年上半期、内蒙古自治区全体の演算能力規模は31.5万ペタフロップスに達し、そのうちAI向け演算能力は29.7万ペタフロップスで、いずれも全国首位となった。烏蘭察布と自治区の首府呼和浩特(フフホト)が力を合わせ、内蒙古の「全国演算能力規模第1位」という旗印を支えている。

「AIの演算能力の行き着く先は電力だ」。この見方を肯定するのは、厦門大学中国エネルギー政策研究院の院長、林伯強氏だ。同氏はさらに、「電力がなければ、チップだけあっても役に立たない」と率直に語る。

ある統計によると、冷却や照明などのその他の電力消費を除いても、1万枚のGPUコンピュートカードを備えた大型AI計算センターでは、計算モジュールが1時間に消費する電力は、約300世帯が1日で使用する電力量に相当する。

内蒙古の優位性は、まさに電力にある。

第一に、エネルギーが豊富だ。この草原地帯では、風力エネルギーの技術的開発可能量が全国の約57%、太陽エネルギーの技術的開発可能量が約21%を占め、自治区全体の新エネルギー発電設備容量は1億7400万キロワット(kW)に達している。

第二に、価格が安い。北京、上海、広州、深センなどでは工業用電気料金が1キロワット時(kWh)当たり約0.7元であるのに対し、呼和浩特市和林格爾新区と烏蘭察布の利用者向け電気料金はその半分の約0.35元/kWhまで低い。さらに、烏蘭察布には北京へ直結する光ファイバーケーブルが2本あり、通信遅延はわずか約4.2ミリ秒だ。

第三に、消費電力が少ない。烏蘭察布は高原に位置し、年間平均気温はわずか4.3℃。データセンターでは年間10カ月近くにわたり自然冷却源を利用して冷却できるため、冷却に必要な電力消費を大幅に削減できる。

内蒙古では、全国初の「ポイント・ツー・ポイント」方式によるデータセンタークラスターへのグリーン電力直接供給実証プロジェクトがすでに稼働している。太陽光発電所で発電した電力を専用送電線によって演算能力パークへ直接供給している。(編集YF)

「人民網日本語版」2026年9月1日

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