ロボットが重労働を担い、作業員を高温環境から解放 AIにより変貌する工場

人民網日本語版 2026年09月10日10:59

広西壮(チワン)族自治区の柳州鋼鉄集団有限公司・柳州拠点にある熱間圧延工場では、真っ赤に熱した厚い鋼板が何度も圧延され、洗浄されながら、徐々に薄くなっていく。その様子を数十メートル離れた場所に立って取材したが、それでも熱気が顔に吹き付けてくるのを感じた。中国青年報が伝えた。

オペレーターの李嘉林さんは、以前この作業をしていたころは、10メートルの高さにある設備によじ登り、ガラス越しに高温の熱さに耐えなければならなかったと当時を振り返った。今では、地上の制御室に座り、重要な工程におけるモニタリングとチェックを行うだけでよくなった。

変わったのは、単に操作台の位置だけではない。中国青年報・中青網の記者がこのほど広西壮族自治区の複数の企業を取材したところ、人工知能(AI)によって進められている製造業の変革が、高温・高リスク・高負荷の現場から人を少しずつ解放し、より安全で余裕のある場所へと移行させていることが分かった。

謝谢洋

広西玉柴機器股份有限公司の第5エンジン生産工場。撮影・謝洋

広西玉柴機器股份有限公司の第5エンジン生産工場の党支部書記・黄斌さんは、入社したばかりの頃、工場内は暗く、臭いも強く、エンジン部品はすべて人力で洗浄機まで運ばなければならなかったと当時を振り返り、「とても重かった」とした。現在、同じ工場に足を踏み入れると、その室温は20度に保たれ、洗浄作業は完全密閉型の自動化設備に任され、作業員は画面の前でプログラムを設定するだけだ。

玉柴の「AIエージェント群によるエンジン・スマート製造工場」は、2026年の広西壮族自治区「AI+製造」先導的応用シーンTOP10に選ばれている。製造事業部第5エンジン生産工場では、部品の供給から完成品の入庫まで、すべてをインテリジェント化された無人AGVが担う。ロボットやトラス型ロボットアームが物流を担当し、全自動加工センターで加工した後、自動で検査、洗浄、入庫まで行う。重要工程では、締め付け、接着剤塗布、圧入を自動化。人が担当する作業にはすべてAIによる動作ミス防止システムを組み込み、作業動作を追跡・検証できるようにしている。加工精度は1マイクロメートルに達している。これは髪の毛の太さのおよそ10分の1に相当し、中国国内の平均水準を大きく上回っている。

数字を見れば、変化をより明確に感じることができる。「第14次五カ年計画(2021-25年)」の開始以来、第5エンジン工場の生産効率は40%以上向上した。国6排出基準対応エンジンの加工生産ラインでは、作業員の数は100人余りから「ダークファクトリー」に近い方式へと変更したことで減少し、設備の保守と監視を担当する少数の従業員だけとなっている。1000種類以上の原材料から1台の大型エンジンを完成させるまでの時間は最短12時間となり、生産サイクルは改造前に比べて80%短縮された。

工場で14年間働いてきた班長の陳飛さんは、この変革を目の当たりにしてきた当事者の一人だ。陳さんは、「入社したころは工作機械1台の操作しかできなかったが、今では生産ライン全体の設備を扱えるようにならなければならない。工場が『ダークファクトリー』になってからは、環境が良くなり、仕事への意欲もさらに高まった」と笑顔で話す。

今年、工場には特別な「同僚」が加わった。四足歩行型のスマート安全点検ロボットだ。マルチモーダルセンサーとAI意思決定中枢を搭載し、サーモグラフィーと騒音検知を融合。自ら経路を計画し、動的に障害物を回避しながら24時間巡回する。作業員が安全保護具を規定どおり着用しているか、消火栓が物でふさがれていないか、液漏れや停電が発生していないかなど、6つの主要なリスクを識別でき、異常があればリアルタイムで通知する。陳さんは、「以前は安全担当者が現場を24時間監視することなど不可能だった。今では、このロボットが私たちに代わって夜間の巡回をしてくれる。深夜に生産ラインで液漏れが発生したら、すぐに警報を出してくれる。『ロボット犬』が巡回してくれることで、皆がより安心して仕事ができるようになった」とした。(編集KN)

「人民網日本語版」2026年9月10日

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