「ダークファクトリー」を訪ねて AIが支える中国の24時間連続スマート製造

人民網日本語版 2026年09月09日13:54

深夜10時、人影がほとんど見当たらない工場の中で、何台ものAGV(無人搬送車)がゆっくりと移動し、加工対象の部品を工作機械へと運んでいた。10台余りの大型門型マシニングセンターが高速で稼働し、ロボットアームが部品を正確につかみ、固定している。ここは、通用技術瀋陽機床股份有限公司(以下、「瀋陽機床」)が建設した「ダークファクトリー」で、24時間連続稼働が可能な工場だ。新華社が伝えた。

従来の工場のような轟音はなく、ロボットアームや無人搬送車、自動画像検査システムなどの設備が連携して作業している。このようなスマート化された工場は、現在、多くの中国製造企業が進めるモデル転換の方向性となっている。

瀋陽機床の大型部品加工第2工場旋盤工程室の室長、王顕春氏は、「以前は、1人で管理できる工作機械は多くても1~2台で、材料の投入や取り出しも人手で行う必要があった。現在はデータ駆動型の自動生産ラインによって、生産効率が50%向上した」と語る。

人工知能(AI)技術の急速な発展によって、工場には思考する「頭脳」が搭載されている。瀋陽機床のこの「ダークファクトリー」では、AIアルゴリズムが工場の重点区域における火気や喫煙などの状況を迅速に識別して警報を発し、安全生産管理の効率を30%以上向上させている。また、5Gを活用したスマートエネルギー消費管理やスマート照明管理によって、工場の月間エネルギー消費量は約15%削減された。現在、瀋陽機床では、すでに3つの工場が「ダークファクトリー」へとモデル転換している。

鞍鋼集団関宝山鉱業有限公司の「ダークファクトリー」に足を踏み入れると、2台の大型ボールミルが高速で稼働し、スマート点検ロボットや清掃ロボットがライトを点滅させながら整然と作業していた。原料から製品まで、すべてがスマートロボットと自動化設備によってシステムの指示に従って処理される。AI、ビッグデータ、クラウドコンピューティングなどの先端技術を活用することで、従業員は2キロメートル離れた遠隔操作センターに座ったまま、企業の生産工程全体を制御することができる。

鞍鋼集団関宝山鉱業有限公司の「ダークファクトリー」内で撮影されたスマート点検ロボット(2024年6月15日撮影・李旭倫)。

鞍鋼集団関宝山鉱業有限公司の「ダークファクトリー」内で撮影されたスマート点検ロボット(2024年6月15日撮影・李旭倫)。

近年、中国は「AI+」行動を深く実施し、製造業のスマート化・高度化を後押しする一連のトップレベルの制度設計を相次いで打ち出している。今年1月、工業・情報化部(省)など複数の当局は共同で「『AI+製造』特別行動実施意見」を発表し、製造業におけるAI技術の融合・応用を加速させ、新たな質の生産力を育成し、新型工業化に全方位的、深層的かつ高水準のエンパワーメントを提起した。

スマート製造設備は、より多くの産業、より多様なシーンへと急速に広がっている。杭州に拠点を置く雲深処科技股份有限公司が開発した四足歩行ロボットは、電力、緊急消防、警備・巡回、産業設備の運用・保守など、さまざまな場面で活用されている。

今年の春、新松ロボット自動化股份有限公司の100台近くの溶接ロボットが、吉利汽車義烏工場の自動車溶接ラインに一斉に導入され、稼働を開始した。これは中国製のスポット溶接用産業ロボットが自動車の溶接ラインで初めて大規模に導入された事例だ。

新松ロボット自動化股份有限公司の工場内で撮影された産業ロボット(2025年8月27日撮影・楊青)。

新松ロボット自動化股份有限公司の工場内で撮影された産業ロボット(2025年8月27日撮影・楊青)。

現在、中国では基礎レベルのスマート工場が累計5万6000ヶ所余り、先進レベルが9000ヶ所余り、卓越レベルが500ヶ所余り建設されている。また、フラッグシップレベルのスマート工場15ヶ所が育成され、一定規模以上の製造企業におけるAI技術の導入・普及率は30%を超えている。(編集KN)

「人民網日本語版」2026年9月9日

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