中国の暖房に加わった新たな選択肢 原子力暖房供給の普及加速

人民網日本語版 2026年10月23日13:20

中国の北方エリアでは、冬になると石炭ボイラーによる暖房が多く使われる。そして今、中国の暖房に選択肢がまた一つ新たに加わった。

その新しい暖房とは、原子力発電所の奥深くで発生した蒸気によるもので、複数回の熱交換を経て長距離輸送された後、多くの家庭に送られる。すすや煙、燃えかすや灰が出ないのに、他の暖房と同じく、室内を春のように暖かくする。

2019年、中国初の原子力暖房供給の商業モデルプロジェクト「暖核1号」第1期が山東省海陽市で稼働し、第一弾として周囲の70万平方メートルのエリアに暖房を供給した。

その2年後、450万平方メートルのエリアを対象とした第2期が稼働。2023年11月には第3期が稼働して、中国国内の地級市(省と県の中間にある行政単位)を跨いだ原子力暖房供給の先駆けとなった。こうして、ゼロカーボンの熱源が同省の煙台市管轄下の海陽市から威海市管轄下の乳山市へと広がった。

暖房供給シーズンを7回経過した「暖核1号」は現在、海陽市と乳山市の市民40万人と面積1350万平方メートルのエリアに向けて冬のゼロカーボン暖房供給を実現している。提供した熱量は累計1973万ギガジュール(GJ)に達し、これは石炭を約178万トン節約し、二酸化炭素(CO2)排出量を約325万トン削減したのに相当する。

山東核電有限公司の説明によると、原子力暖房供給が行われる前と比べ、海陽市では暖房供給シーズンにおけるPM10(直径10マイクロメートル以下の粒子状物質)の平均濃度は43%低下し、二酸化窒素(NO2)の平均濃度は13.7%低下した。乳山市では同シーズンのPM10平均濃度は8.7%低下し、NO2平均濃度は12.8%低下した。これまで原子力発電所から海に排出されていた熱の一部が、都市へ送られる熱源へと変わった。

海陽市はこれにより全国初の大規模ゼロカーボン暖房供給を実現した都市になり、海陽原子力発電所は世界最大の原子力による熱電併給(コジェネレーション)基地となった。

今では、「暖核1号」の事業展開の範囲はさらに広がっている。計画では、海陽原発の3号・4号ユニットが2027年内に全面的に稼働する予定で、そうなれば「暖核1号」は青島市全体を原子の力で温めるようになり、膠東半島の地域を跨いだゼロカーボン暖房供給ネットワーク構築を支援することになる。長期的には、このプロジェクトの暖房供給能力は2億平方メートルに到達する見込みだ。

浙江省嘉興市海塩県では、2021年末以降、人々が中国南方初の原子力暖房供給プロジェクトの恩恵を受けている。県内の秦山原子力発電所と同県の提携がスタートしてからの5年間に、累計約75万平方メートルに及ぶ原子力暖房供給市場の開発・構築が行われた。

遼寧省大連市では、市内の紅沿河原子力発電所の原子力暖房供給モデルプロジェクトが2022年11月に正式に稼働して暖房供給を開始し、紅沿河鎮の約2万人が原子力による暖房を利用できるようになった。

石炭による暖房供給からゼロカーボンの暖房供給へ。中国の原子力暖房供給はすすや煙、燃えかす、灰を出さずに暖かさを提供し、きれいな青空を守り、クリーンエネルギーへの転換へと向かううえでのモデルとなった。(編集KS)

「人民網日本語版」2026年10月23日

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