砂漠に出現した巨大な「モバイルバッテリー」

人民網日本語版 2026年10月27日15:55

中国で2番目に大きい砂漠である古爾班通古特(グルバンテュンギュト)砂漠の中心部。上空から見下ろすと、直径約200メートルの色とりどりの円盤が5つ並び、まるで砂漠に宇宙人の基地が降り立ったかのように広がっている。実はこれは、中国華電集団が建設した巨大な「モバイルバッテリー」だ。正式名称は「新疆華電烏魯木斉(ウルムチ)太陽光発電拠点100万キロワット(kW)/400万キロワット時(kWh)独立型新型エネルギー貯蔵実証プロジェクト」で、単体容量としては中国最大の独立型エネルギー貯蔵発電所だ。新疆の太陽光エネルギーを「昼間に蓄え、夜間に取り出す」ことを可能にしている。

同プロジェクトの総敷地面積は約28.2ヘクタールに及ぶ。単体5メガワット(MW)・容量20メガワット時(MWh)の液体リン酸鉄リチウムエネルギー貯蔵モジュールを採用しており、各モジュールは1時間当たり5000kWhの電力を蓄えることができる。モジュール1基当たりの二酸化炭素排出削減量は約2.65トンに達する。この数値は、発電所全体の196基のエネルギー貯蔵ユニットが連携して稼働すれば、1時間当たり約520トンの二酸化炭素排出量を削減できることを意味する。また、発電所を満充電にすると、400万kWhの電力を蓄えられる。これは、烏魯木斉市の数十万世帯が1日に消費する電力量に相当する。

この発電所は、エネルギー貯蔵容量が大きいだけでなく、電力需給のピーク調整能力にも優れている。

同発電所は「電力需要の少ない時間帯に充電し、需要の多い時間帯に放電する」という運用方式を採用している。昼間に太陽光発電の発電量が増える時間帯に電力を蓄え、夜間の電力需要のピーク時に放電する仕組みだ。そのエネルギー変換効率も非常に優れている。エネルギー貯蔵システムの系統連系試験における効率は86%以上で、国家基準の要求を少なくとも3ポイント上回っている。推計によると、同発電所は年間11億4000万kWhのグリーン電力を電力需要の少ない時間帯に吸収し、需要のピーク時に安定して供給できる。

では、なぜこの発電所は一般的ではない形状を採用したのだろうか。

同発電所が位置する古爾班通古特砂漠は、中国国内で最大面積の固定砂漠・半固定砂漠だ。もしエネルギー貯蔵発電所を一般的な長方形に建設すれば、砂漠で大量の砂を掘削したり、土砂を盛ったりする必要があり、生態環境を破壊することになる。

生態環境の保全と産業発展を両立させるため、中国華電集団はエネルギー貯蔵発電所を円形に建設することにした。天然の砂地のくぼみや砂丘の高低差を巧みに活用し、自然に階段状の地形を形成することで、生態系への影響を最小限に抑えている。これにより、「生態環境の保全を最優先し、地形への改変を最小限にとどめ、砂を区域外に搬出しない」という環境配慮型の建設原則を最大限に実践することができる。(編集KS)

「人民網日本語版」2026年10月27日

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